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ベトナム製菓市場:日本企業の有望な進出先(2022年見通し)

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はじめに
この記事で伝えたいこと
  • ベトナムの製菓市場には外資系企業を受け入れる土壌がある。
  • ベトナムの製菓市場は巨大だが変化を続けており、新規参入の余地は十分にある。
  • 市場の課題としては大きく3つあり、それぞれ企業の努力に係っている部分が大きい。

はじめに

ベトナムの製菓市場は、消費者の嗜好を上手く捉えた外国ブランドのお菓子が強いという特徴がある。「外国のお菓子=良いもの」という土壌がある程度存在するので、外国企業にとっては非常に魅力的な市場である。
ベトナムでは経済発展に伴い、国民の所得も増加している。こうした中流階級の増加により、高級菓子やニッチな菓子など、今まで顕在化していなかった市場が開拓できる可能性がある。加えて、健康意識の向上など新しいトレンドが次々に誕生しているベトナムは、日本企業にとって有望な市場になり得るだろう。

ベトナムの製菓市場

ベトナムの製菓市場について7つの視点から市場のポテンシャルを分析していきたい。

市場規模

Statista社のレポートによると、2021年のベトナム製菓市場の規模は2020年比+4.4%で増加し、1兆1,426億円の金額になると予測されている。2021年から2025年までの間に、ベトナム人の菓子への支出は毎年8.23%、消費量は4.2%ずつ増加するという予測もある。

市場の区分

ベトナムの製菓市場は、チョコレート類、キャンディー類、ビスケット類という大きく3つのセグメントに分けられる。 チョコレートセグメントには、ボックスチョコレート、タブレットチョコレート、シングルバーチョコレートなどの製品が含まれる。

特に、Euromonitor(2020)のレポートによると、ボックスチョコレートの消費量は2013年から2018年の期間で6.7%増加した。

キャンディー類セグメントも年々成長している。特にガム製品の消費額が最も多く、年間で136億円の市場である。

ベトナムでポピュラーな菓子製品

出所:ONE-VALUE作成
出所:ONE-VALUE作成

ベトナム市場でメジャーな日本と韓国の菓子

ベトナムには多くの外国メーカーが参入し、ポピュラーな存在になっていることは冒頭で述べた。特に多いのは韓国メーカーだが、日本メーカーも多く見られる。

主要なプレーヤー

 売上(円)特徴サイト
Mondelez Kinh Do Viet NamN/A国内で最大シェアを誇る企業(35%)中~高価格帯の製品に注力しているhttps://www.mondelezinternational.com/Vietnam
Bibica5,932,590,623  有名ブランドを手掛ける大手メーカー毎年2万トン以上のあらゆる種類の菓子を市場に提供しているhttp://www.bibica.com.vn/
  Hai Ha Confectionery7,027,203,461創業50年以上の歴史がある老舗メーカー製菓業以外にも、投資業など様々な業務を行う。http://www.haihaco.com.vn/
出所:ONE-VALUE作成

市場のトレンド

健康に配慮した菓子の需要増

デロイト社の実施した2020年の消費者調査によると、「健康」はベトナム人の菓子製品購入の意思決定に影響を与える主要な要因である。ベトナム人消費者全体の19%が、「健康」を重要視すると答えた。

ベトナムにおける健康意識の向上は、製菓市場では以下のように表れている。

  • パッケージサイズ・内容量を控えめにした製品の増加。
  • 無糖または低糖製品の増加
  • ブラックチョコレートの人気増
  • 健康維持に有効な、比較的ニッチな製品の増加。例えばダイエット用菓子(オーツ麦、玄米、シリアル、ドライフルーツなど低カロリーな原料を使用したもの)や、妊婦向けのケーキ(母親と胎児に必要な栄養素を補充する)がある。
出所:ONE-VALUE作成

コンビニ・EC販売の発展

ベトナムでは経済発展と所得増加に伴い。先進国のような現代的なライフスタイルが急速に浸透している。

中でも都市部ではコンビニエンスストアが人気を博している。スピードと利便性は、多くの消費者が重要視する要素である。さらに豊富な商品ラインナップ、品質に優れた商品、長い営業時間などもモダントレードの利点であり、人気が高まっている。

加えてコロナ禍の影響で、2020年からはECでの菓子販売が従来よりも活発になっている。

ベトナム製菓子への関心が向上

ベトナムにはこれまで、国産品の品質は良くないという価値観があった。菓子を含め、外国製品の方が人気であった。しかし、デロイト社の調査によると、2020年には調査対象者の97%が、国産のお菓子を食べたいと答えた。

この背景には、近年ベトナム企業が設備や商品開発等への投資を増やし、製品の品質やパッケージのクオリティを向上させていることがある。

また、ベトナムではマーケティングのためのキャンペーンも多く行われ、ベトナムブランドと消費者との距離感を埋めようとする傾向が色濃く見られる。

例えば、マルウというチョコレートブランドは、国内市場だけでなく、世界で展開するチョコレートとしてマーケティングの活動を行い、現在ベトナム人の若者の間で、ポピュラーなチョコレートとなっている。

Marou Chocolateの製品

ベトナム市場の課題

ベトナムの製菓メーカーは、次の3つの問題に直面している。

配送の問題

CELコンサルティング社によると、ベトナムでは菓子類を含む食品の約4分の1は、実際に製造工場や流通センターに届く前に傷んでしまい、廃棄となっている。これは同地域の他国と比べても高い割合である。

この食品ロスの原因は、輸送や保管の過程で重要となるコールドチェーンの未発達である。具体的に、コールドチェーンを導入しているベトナム国内向け販売業者の割合は8.2%に過ぎない。

菓子においては、高温で溶けてしまったり腐敗したりする菓子はもちろん、吸湿対策も課題である。

ベトナムのコールドチェーンについては、個別で紹介している記事があるので、是非参照いただきたい。

偽物が多い

ベトナムではジャンルを問わず様々な模倣品が流通しており、菓子も例外ではない。例えば下記の写真は、ORION社という菓子メーカーの商品と、実際に流通したその模倣品である。

下記画像の場合は「ChocoPai」と「Custard」の方が模倣品である。このような問題について政府は具体的な法規制を設けていいるが、未だ解決は難しい状況である。

これはメーカーの営業を阻害するだけでなく、消費者の健康問題にも発展しかねない。この問題を解決するためには、まず企業が独自の流通チャネルを構築し、適切に管理する必要があるだろう。        

人気商品とその模倣品

輸入原料への依存度が高い

ベトナムは食糧自給率が高いことで知られているが、製菓企業が使用する原材料は輸入への依存度が高い。具体的には小麦粉・バター・調味料・その他の添加物などを多く輸入している。

原材料は自然災害・コロナ禍・為替変動など様々な要因により価格が変動しやすく、製品価格に影響を与えやすい。

ベトナム消費者の嗜好・好み

ビスケット・クッキーのセグメント 

VPS社のレポートによると、2013年にはビスケット類の製品が、菓子製品の中で最も高い販売量と売上を記録している。特に食感が軽いビスケットが消費されていいる。

加えて、低糖質でビタミンが多く含まれている製品が特に多く販売されている。ベトナム大手の菓子メーカであるTrang An Joint Stock Companyによると、2019年時点ではビスケット類製品の売上は依然として最も高く、ベトナム人のビスケット類に対する嗜好を示唆している。

ベトナム市場で人気があるビスケット・クッキーの商品

キャンディーのセグメント

Euromonitor Internationalの調査によると、ベトナムのキャンディー類セグメントにおいて、ガム、ゼリー、マシュマロのグループは、2018年に1億200万ユーロの売上を達成しており、年間成長率が最も高く今後も成長が見込まれている。

ベトナム市場で人気があるキャンディー類の商品

今後の市場のポテンシャル

今後、ベトナムの製菓市場は中間層の増加に伴い、引き続き成長することが予想されている。現在予想されるトレンドは以下の通りである。

チョコレートの需要増

ベトナムの市場では、バレンタインデーや国際婦人デーなどの特別な日を除いて、チョコレートを定期的に買う習慣はなかった。

しかし、人々の生活水準が向上し、美容、健康、ダイエットなど、チョコレートがもたらすメリットを証明する研究が増えてくると、多くのベトナム人消費者がカカオ製品、とりわけチョコレートをよく購入するようになった。今後はチョコレート分野の開拓がより進行する見通しである。

ECの発展

ベトナムのEC(オンラインショッピング)は堅調に成長している。ベトナム商工省傘下の電子商取引・デジタル経済局(iDEA) によると、ベトナム人口の53%がオンラインショッピングを利用し、EC市場の規模は2020年に118億米ドルに達した。

市場の成長率は毎年平均18%であり、ECの売上は小売業全体の売上の5.5%を占めている。2021年はCOVID-19の影響により、従来よりもECでの売り上げが比較的大きく伸びた。ECでよく購入される菓子としては、月餅がある。

ベトナムの大手ECサイト『Shopee』で販売されるHuu Nghi社の月餅

コールドチェーンの発展

ベトナムにおける冷蔵設備の需要は非常に大きいが、供給は比較的限られている。冷蔵設備の大部分はベトナム南部に集中しており、市場シェアの60%が外資系企業によって占められている。 しかし、ベトナム企業にとってもチャンスが開かれている。

JLL社の予測によると、現在から2017年までのアジアにおけるコールドチェーンの成長率は約15%であり、ベトナムもこの傾向の例外ではない。まずは現代化が特に進んでいる都市部において、コールドチェーンは発達していく見込みである。

まとめ

ベトナムの製菓市場は伝統的に外資系企業の存在感が強かったが、近年はベトナム国産ブランドの地位が向上しつつある。

2021年のベトナム製菓市場の市場規模は1兆1,426円にもなる見通しで、堅調に拡大し続けている。また、ベトナム国民の所得増加や健康意識の向上といったトレンドの発生に合わせ、次々に新しい製品が市場に投下されている。

ベトナムの製菓市場の課題は大きく分けて3つある。コールドチェーンの未発達、模倣品の流通、輸入原料への依存度が高いことである。

特に模倣品問題に関しては、法規制が既にあるにもかかわらず上手く機能していないので、現状はメーカーの努力がどうしても重要になってくる。

今後市場に起こり得るポジティブな要素としては、チョコレートの需要増、ECの発達、コールドチェーンの発達という3つが挙げられる。

特にコールドチェーンの発達は、他2つの要素を支えることでもあり、ベトナム全体の生産効率を向上させることにもつながるので、注視すべき要素である。

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ベトナムでのビジネス成功のコツ

将来の成長ポテンシャルが大きいベトナム市場。ベトナム市場の有望性は感じていても、「実務上は様々な課題がたくさんある」という意見も少なくありません。

ONE-VALUEはベトナム特化の経営コンサルティング会社として、日本企業の抱える課題解決を行います。

ベトナムの市場調査を行いたい、消費者向けの調査を行いたい、ベトナム企業の情報を収集したい、現地パートナーを探索したい、ベトナムでM&Aを行いたい、その他ベトナム進出や事業拡大、投資に関する日本企業の課題をONE-VALUEは解決します。

メリット① ベトナム特化のコンサルティング会社

ONE-VALUEはベトナムだけに特化しています。ベトナム大手企業役員、有力未上場企業マネジメント層、地方政府・中央政府の高官、有識者、ベトナム消費者にアプローチ可能です。

メリット② 日本企業のニーズに柔軟対応

市場調査やM&Aから、スポットでの情報収集(スポットコンサルティング)まで幅広いニーズに応えたコンサルティングサービスを柔軟に提供します。

メリット③ 今後の有望セクターに注力

ベトナムはこれまで製造拠点として見られてきましたが、経済発展に伴う中間層・富裕層の拡大に伴い、消費市場として注目されています。ONE-VALUEはエネルギー・環境、ヘルスケア、IT、日用消費財、小売、食品、教育といった有望セクターに注力しています。

最後に

ベトナムビジネスの課題解決のプロフェッショナル集団であるONE-VALUEは日本企業のベトナムビジネスを支援します。ベトナムビジネスで課題をお持ちの方は是非ご連絡ください。随時相談はこちらから受け付けております。

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