2025年上半期、ベトナムの銀行業界で約3,400人が解雇された。AIや自動化技術の導入が急速に進む中、従来型業務の削減が進行する一方で、デジタル分野の人材不足が深刻化している。
現在、ベトナムの銀行では90%以上の取引がデジタルチャネルで行われ、成人の約87%が銀行口座を保有している。2024年のモバイル決済および電子商取引取引額は約850億ドル(13兆円)に達し、同国は東南アジアにおけるデジタル金融の中心地として位置付けられている。AIの登場とデジタル技術の発展により、多くの伝統的な銀行業務従事者が職を失っている。
しかし、テクノロジー人材の不足は依然として構造的課題であり、国内では年間15万〜20万人のIT人材が不足している。特にAI関連職種の需要は今後5年で約74%増加すると見込まれており、銀行業界、フィンテック、通信分野での人材獲得競争が激化している。
一方、大学や金融機関では、金融とテクノロジーを融合させた教育カリキュラムの整備が進み、デジタル人材の育成に向けた取り組みが加速している。これにより、従来型の職種は減少するものの、高度なデジタルスキルを持つ人材の需要は急拡大している。
ベトナムは今後、AI・デジタル金融分野での発展を通じて、東南アジアにおける金融イノベーション拠点としての地位を確立する見通しである。外国投資家にとっても、同分野は新たな成長機会として注目される。
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