急成長中のベトナムのECは包装廃棄物の問題に直面
国際自然保護団体WWFの最新報告書によると、ベトナムは電子商取引(EC)におけるプラスチック包装廃棄物の問題に直面している。2023年、ベトナム電子商取引協会(VECOM)の調査によれば、ECで使用された包装材は332千トン、そのうち171千トンがプラスチック包装材であった。特に衣料品やファーストフード業界では、90%以上の業者がプラスチック製品を使用している。
ベトナムのECは毎年25%以上成長しており、2030年にはその規模が4.7倍に達すると予測されている。そして、ECから排出される廃棄物は少なくとも5倍になる見込みである。商工省のグエン・フー・トゥアン氏は、ECでは小さな注文でも多くの包装材が使用されるため、廃棄物が減少する誤解があると指摘している。過剰な包装も問題であり、販売者は商品を安全に届けるために二重または三重に包装することが多い。
専門家によれば、このままではECからのプラスチック廃棄物は80万トンに達する可能性がある。これは環境への悪影響を示唆しており、特に炭素排出やプラスチック廃棄物の増加が懸念されている。天然資源環境省の統計によると、ベトナムではプラスチック廃棄物の約10%しかリサイクルされていない。
また、EC関連のプラスチック廃棄物は主に海岸部や大河流域に集中しており、ホーチミン市やハノイなどの都市で多く発生している。これらの廃棄物は適切に処理されず、多くが海洋へ流出する危険性が高い。このような状況を受けて、ベトナム政府はプラスチック廃棄物管理を強化するための政策を進めており、2025年までに全ての商業施設で環境に優しい包装材を使用し、発生するプラスチック廃棄物の85%を収集・リサイクルする目標を掲げている。これらの取り組みは持続可能な発展への重要なステップであり、国際的な協力も求められている。