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環境・再生可能エネルギー

ベトナム首相が電力公社EVNと会談し、外資の投資機会が拡大へ

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ベトナムが抱える電力不足問題

ベトナムでは、急速な経済成長にともない、電力の需要と供給のバランスが課題となっている。2023年の初めに、気候変動の影響で電力供給が困難となり、一部地域で計画停電が実施された。

これは、猛暑によって水力発電所の貯水池の水位が低下し、水力発電所が制限下での運転を強いられたことに起因する。この水力発電所は北部地域の電力供給の約43%を占めており、北部地域の電力供給に大きな影響を及ぼした。さらに、石炭火力発電の発電量の減少も原因のひとつである。石炭火力発電は、北部地域での電力供給の約48%を占めている。このように、北部地域の発電は主に水力発電と石炭火力発電で賄われている中で、両者の発電量が同時に減少したことで、北部地域の深刻な電力不足を引き起こした。

安定した電力供給を確保するために、ベトナム電力公社EVNは、電力システムの運営、十分な燃料の確保、発電所稼働に関する対策に加えて、LNGプロジェクトの早急な開発、集中型太陽光発電、分散型屋根置き太陽光発電 、陸上風力発電および洋上風力発電などを含む、北部地域への電力供給のためのプロジェトを急ぐとしている。

ベトナム・チン首相がベトナム電力グループEVNと会談

1月13日、ベトナムのファム・ミン・チン首相は、EVNと、ハノイの本社にて会談した。会談では、チン首相はEVNの2023年の実績を評価したうえで、EVNの取り組みにより、ベトナムのエネルギーおよび電力セクターに関心を寄せる外国投資家にとっても、魅力的な投資機会が提供されているとの認識を示した。

EVNは、2023年に様々な成果を達成した。電力生産量は4.5%以上増加し、総発電容量が80,000 MWを超えたことで、ASEAN地域で首位となった。特にEVNならびに関連企業は、重点的に電力関連プロジェクトへの投資を積極的に進めている。そのため、外国投資家には、大規模なプロジェクトに参加し、ベトナムのエネルギーインフラの発展を支援する機会が拡大している。

会談において、チン首相は経済発展における電力セクターの役割の重要性を強調した。EVNの過去の実績を高く評価するとともに、ベトナムが急速に経済成長を進める中、生産活動、ビジネス、消費のすべての観点から、電力は不可欠な要素であると指摘した。

さらに、チン首相は、今後の方針として3つの目標を掲げた。1点目は、いかなる状況においても電力不足を発生させないこと。2点目は、電力セクターを市場原理に基づき運営すると同時に、社会的な福祉対象者に対する政策をとること。3点目は、財務のバランスを取りながら生産とビジネスを推進し、直面している諸課題を解決していくことである。

今後の展望

外国投資家はベトナムの電力セクターにおける多くの投資機会を見いだすことができる。特に北部地域で深刻な電力不足問題や、様々なプロジェクトの進捗状況などから、プロジェクトへの投資機会が提供される。EVNおよびベトナムの電力セクターは、経済発展に不可欠な電力開発のみならず、外国人投資家にとって、良好な投資環境を積極的に提供しており、現在は、ベトナムの電力セクターが提供する大きな機会へ投資する絶好のタイミングであると期待されている。

ベトナム・チン首相がベトナム電力公社EVN本社と会談
 出所:現地メディア TẠP CHÍ NĂNG LƯỢNG VIỆT NAM

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