越境ECの拡大
近年、ベトナムからの越境ECを通じた輸出が大きく伸びている。2022年に約35億ドルに達し、今後数年で100億ドルまでに到達すると予測されている。越境ECを利用した海外市場の販路開拓が、新たなチャンスをもたらしている。
ベトナムからの越境ECを通じた輸出は、年間成長率9%のペースで拡大が続くと予測されている。AmazonやAlibabaなどを通じ、世界中の消費者がアクセスできるメリットが大きい。これを背景に、ベトナム企業が輸出を促進するために越境ECを選択する傾向が強まっている。特に、注力されているのが、中小企業によるインスタント食品や日用品の販売である。Masan ConsumerやVifonといった有名ブランドも、Amazonでの販売を強化しており、売上を伸ばしている。
大手越境ECの参入
2019年からベトナムに参入しているAmazon Global Sellingは、ベトナム企業の海外進出を支援している。Amazonは世界中で約3億のユーザーに利用されており、世界的なブランドを活用し販路が広げられる。
2022年には、ベトナムから約1000万の商品が世界中のAmazonユーザーに販売され、前年比で45%増加した。Amazonで商品を販売するベトナムのパートナー企業の数は前年比で約80%以上増加し、その多くは企業であった。また、越境ECを通じて輸出されている製品の種類は多岐にわたり、家庭用品から衣料品、ヘルスケア製品、工芸品まで、様々なカテゴリの商品が国際市場で受け入れられている。(Amazon Global Selling)
Amazon Global Selling Vietnamの最高経営責任者(CEO)であるGijea Seong氏によると「ベトナムにおける越境ECはまだ新しく、成長段階にある。デジタル経済が主流となり、国内製造業の規模と技術が日々成長している中で、この分野のポテンシャルは非常に大きい」と語った。
今後の動向
越境ECを通じた輸出の成長は、ベトナム企業に多くの新たな機会を提供しており、特に地場の中小企業や、協同組合、個人事業主にとっては、国際市場への販路拡大の大きな手助けとなっている。
一方で、ベトナム企業の改善余地としては、市場調査、品質管理、ブランディング、物流、カスタマーサービス、法規制への適応が挙げられる。これらをクリアすることで、一過性ではなく、中長期的に国際市場で優位性を確保できるだろう。この領域は比較的新しい有望分野なので、今後も動向を注視する必要がある。これらの要素を踏まえ、ベトナム企業はECを通じて国際市場へ参入し、ベトナムの競争力を高めることが期待される。
【関連記事】ベトナムのSNSに関連する分野ついては、こちらの記事も合わせてご覧ください。