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加工食品

ベトナムの有機エビ生産拡大へオランダ開発銀行が投資を検討

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ベトナム政府は高品質な水産物生産を奨励

ベトナムは北から南まで約3000kmを超す長い海岸線を有し、広大な排他的経済水域(EEZ)を持つ水産大国である。ベトナムでは近年特に、養殖エビ・パンガシウスを中心とする輸出が拡大し続けており、主な輸出先は、アメリカ、日本、中国である。ベトナムは世界的な水産大国として成長しており、今後も有望な市場として注目されている。

ベトナムの水産業における生産量について、2015年から2022年まで、年間平均成長率(CAGR)は4.34%で約673万トンから906万トンに増加し続けている。

ベトナム政府は、長期的な水産業の開発方針として、高品質な水産物の生産拡大を進めている。その一例として、Camimex Group社が進める「有機エビ」の養殖事業が挙げられる。Camimex Group社は1977年にベトナム水産業界の企業として初めて設立された国営企業のひとつであり、2011年に完全民営化された。エビの養殖は海水と淡水が混ざり合う汽水域が適しているため、世界各国でマングローブ林が開発され、環境破壊の一因とされてきた。そこでCamimex Group社は、マングローブ林を最大限残したうえで、自然のえさでエビを生育させる環境にやさしいエビ養殖(有機エビ)を進めている。

今回は、世界各地で環境意識が高まる中、オランダ開発銀行がCamimex Group社への投資を検討している件についてご紹介する。

ベトナムCamimex Group社が有機エビを生産拡大

ベトナムで「有機エビ」の養殖行うCamimex Group社に対して、オランダ開発銀行が1,500万ドルの投資を検討していると発表した。

Camimex Group社は、ベトナム最大のエビ加工・輸出企業の1つである。特に、同社は世界有数の「有機エビ」養殖事業者である。さらに、Naturland(ドイツの国際有機農業協会)、EUオーガニック認証(EU域内の有機認証)、Bio Suisse(スイスの有機農家団体)において、供給チェーン全体(稚エビから食卓まで)での有機基準を達成しているベトナム唯一の企業でもある。

Camimex Group社は、年間15,000トン以上の加工能力をもつ3つの最先端加工工業を運営している。さらに、約6,800ヘクタールの環境にやさしいエビ養殖地(自然環境のマングローブ林内での自然養殖)と、農家と連携した約40,000ヘクタールのエビ養殖地を保有している。

今後の展望

Camimex Group社の製品は、アメリカやスイス、ドイツ、オーストリア、オランダなど、25以上の国と地域に輸出している。さらに、環境にやさしいエビ養殖地を、現在の約6,800ヘクタールから20,000ヘクタールに拡大する計画としている。

オランダ開発銀行は、Camimex Group社のビジネスビジョンは、ベトナムでの持続可能な水産養殖を推進するものとして評価している。そのうえで、環境にやさしいエビ養殖地の拡大は、食料安全保障を強化し、農家の生活水準向上に資するだけでなく、マングローブ林の被覆率を増やすことにつながり、CO2削減にもつながるとしている。

Camimex Group社の水産加工工場
出所:現地メディア Báo Công Thương

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