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不動産・建設

ベトナムにおけるグリーンビルディング:脱炭素への取り組み

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世界の不動産・建設業界における脱炭素の動向

世界中の国々が脱炭素を進めていくなかその中でも、温室効果ガスの排出が多い業界として不動産・建設業界が挙げられる。各国では、不動産・建設業界の動向が環境保護の鍵として注目され、新たな取り組みが進められている。

現在、多くの不動産デベロッパーはカーボンニュートラルへ向けた取り組みを重要視しており、大手不動産CBRE のCEOボブ・スレンティック氏は「当社には、地球温暖化に伴う数々の問題の解決に向けた世界の取り組みに貢献する責任がある。カーボンニュートラルをできる限り早く達成するために、自らの役割を果たすとともに、クライアントやサプライチェーンを構成する各企業と協力していく」と述べている。

企業の環境問題への配慮は必須になりつつあり、顧客やテナントを開拓する不動産デベロッパーにも社会的責任(CSR)が問われつつある。

世界グリーンビルディング評議会(World Green Building Council:WorldGBC)には、世界75カ国で20,000件の不動産を所有する140以上の企業が署名しており、不動産・建設業界における温室効果ガス排出量を2050年までに削減を目指している。具体的な目標は、建設および建物の運用によるCO2排出量を世界全体で約40%削減することを目指している。

世界グリーンビルディング評議会(World Green Building Council)の方針 出所:kienviet.net

ベトナムにおけるグリーンビルディングへの取り組み

ベトナムの建設・不動産業界においてグリーンな都市開発を実現するソリューションとして近年注目されているのが「グリーンビルディング」である。
グリーンビルディングとは建設・運営の各段階において、それにかかるエネルギー・水などの資源の消費量を極力少なくし、建物全体の緑化や効率の良い資材を用いることで、建物全体の環境性能が高まるように設計された建物である。

ベトナムのグリーンビルディングの評価基準として、NGO「ベトナム・グリーンビルディング協会(VGBC)」が実施するLOTUS認証制度が挙げられる。この制度は、世界標準の「LEED」という認証制度を基に、さらに欧州の「GRESB」による「グリーン・スター」や英国の「BREEAM」などの要素を組み込み、VGBCが独自に作り上げたものである。

ベトナムの投資家は、環境に配慮したプロジェクトへの関心を高めている。持続可能なグリーンビルディングを実現することで、エネルギーコストの削減や資産価値の向上といったメリットが期待されるためである。また2023年、SBVNは脱炭素化の一環として「SBVN Net Zero – Pilot Project」を立ち上げた。このプロジェクトは、ベトナムでのグリーンビルディングの建設に関心を持つ投資家に対し、技術のサポートを提供するプロジェクトである。

出所:kienviet.net

ベトナム政府は「グリーンな成長」を推進しており、その一環としてパリ協定に参加し、環境保護への取り組みを行っている。都市開発の中で、エネルギー節約や住民の快適性、健康を中心とした「グリーンビルディング」の重要性が増している。これは、環境に配慮しつつ、企業の経済的便益や社会的責任も兼ね備える重要な取り組みとなっている。

ベトナムで開発を行う企業だけでなく、グリーンビルディングを実現するための技術や原料をベトナムで展開することができるというポテンシャルを抱えている。今後、グリーンビルディングだけでなくベトナムの環境への取り組みを企業は注視していく必要があるだろう。


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