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日本人がベトナムで土地所有は可能?不動産に関わる法規定を徹底解説

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今回の記事ではベトナムへの不動産投資を行う際において押さえておきたい3つのポイントを解説していく。ベトナムではもともと外国人による不動産購入が認められていなかったが、2015年7月に改正された不動産事業法および住宅法により、外国人による不動産の購入が可能となった。とはいえ、ベトナムで不動産の購入・投資を行う際にはベトナム固有の規制や制度がある。今回は不動産投資に関わる法規定を基に、ベトナムへの不動産投資において留意すべきポイントについて解説していきたい。
ちなみに本レポートでは「外資系企業」という用語が多く登場するため、用語の定義を最初に確認しておきたい。このレポートでいう外資系企業は、ベトナム国外で登記された企業のベトナム拠点または子会社だけでなく、外国の株主がいる企業も「外資系企業」に含まれる。つまり外国資本が1%でも入っている時点で、その企業は「外資系企業」という扱いになることに注意が必要だ。

ベトナムにおいて、土地所有は不可能

大前提として、ベトナムでは外資・内資を問わず私人による土地所有は認められていない。ベトナムの憲法(2013年)の第53条にも「土地は全人民の所有の属する公財産であり、国が所有者を代表し、統一的に管理する」と定められている。

ベトナムで土地を利用するには「土地使用権」を取得する必要

憲法第54条および土地法(2013年)第4条によれば、国は土地の使用者に対して「土地使用権」を交付することによって、その土地の使用権を与えることとなっている。つまりベトナムで「土地を売買する」と言う時はこの土地使用権を売ったり買ったりすることを意味している。土地使用権は通称レッドブックと呼ばれる「土地使用権証明書」によって、登記されていることが証明される。

土地使用権の2つの取得方法

この土地使用権には①割当、②リースの2つの形態がある。割当の形態の場合、外資系企業が土地を所有することができるのは「販売・賃貸用住宅の建設プロジェクト」という目的の場合に限られている。ちなみにこの場合の「外資系企業」とは、外国企業や外国人の株主がいるベトナム国内企業のことを指しており、外国企業や外国人が直接国から土地使用権の割当を受けることはできない。
 リースによる土地使用権の賃貸の場合は、リース料を年払いするか、リース期間分の全リース料を一括払いするかによって規定が異なります(土地法第56条)。リース料の年払いの場合には土地使用権の譲渡や担保権設定等が認められていないが、全リース料を一括払いする場合には土地使用権の譲渡や担保権設定等が可能となる。
工業団地内の土地に外資系企業が入居する場合は、土地使用権を国からリースしているディベロッパーが入居する企業に対して土地をサブリースする形がとられている。サブリースを受けた企業には、リースを受けた場合と同様の権利を有する。

土地使用権の期限

 割当・リースどちらの形態であっても、土地使用権の期間は原則50年となっている。ただし投資資本が大きくかつ資本の回収が遅い案件、経済・社会的に困難または非常に困難な地区に対する投資案件については、申請によって70年までの土地使用権の延長が可能となる(土地法第126条)。
なお、販売・賃貸用住宅を経営する投資プロジェクトの場合は、許可された投資期間が土地使用権の期間ともなる。こちらの期間が切れた場合は国が、土地使用者が引き続き土地を利用する需要があると判断した場合には、50年または70年を上限として期間を延長することが可能である。

土地の上に建てられる建物は所有が可能

土地の上に建てられる建物については、私人による所有が認められている。ただし外資系企業および外国人に対しては建物の購入については厳しい規制が課されている。これらの規制内容については大きく「居住用建物」と「非居住用建物」で異なっている。

居住用建物についての規定

居住用建物については外国人個人に対して所有が認められている。一方で外資系企業に対しては社宅として利用する目的でのみ所有が認められている(住宅法第162条)。またどの居住用建物でも外資系企業および外国人が自由に購入できるわけではない。国から外資系企業および外国人への販売が許可されている住宅建築プロジェクトにおける総販売戸数の30%に限り、購入が可能となる(住宅法第161条)。ただし、当該建物の所有権は外国人個人に対しては50年、外資系企業に対しては投資登録証明書(IRC)に記載されたプロジェクトの期間内というように期間制限が設定されている。

非居住用建物についての規定

非居住用建物については、外資系企業による所有が可能となる。こちらについても投資登録証明書(IRC)に記載されたプロジェクトの期間内というように期間制限が設定されている。
ちなみに賃貸によって収益を得る目的での外資系企業による不動産の購入は原則不可能であるが、不動産の賃貸であれば第三者への賃貸(又貸し)が可能となる。ただし当該賃貸行為が「事業」として行われていると判断された場合は、その賃貸行為は「不動産事業」であると判断され、「不動産事業法」の適用を受ける。その場合は、①不動産事業のライセンスの取得および②出資金として200億VND以上の出資をすることが必要となる。
ちなみに不動産を購入して転売・賃貸するという行為は「原則不可能」である。その理由は利益を得る目的で不動産を購入する行為が外国人および外資系企業に対しては規制されているためである。とはいえ、最初から利益を得る目的で取得した不動産ではなくとも、投資プロジェクトが終了してもう使用しなくなったため第三者へ転売する、または利用しない一定期間を他社へ又貸しするといったことは実際に外国人および外資系企業によって通常行われている。これは収益を得る目的での転売・又貸しであるか、通常の転売・又貸しであるかを判断する基準が曖昧であるためである。
不動産関連の法規定はここ7.8年の間に頻繁に改訂が行われており、現在も新たな改正法案が審議されている状況であるため、法令・政令同士の矛盾点や曖昧な点が多くあることが事実だ。今後、各種規定の改正の動向には十分注意を払う必要があるだろう。

まとめ

今回のレポートでは現在発効されている法令・政令をもとに不動産の土地および建物の所有・運用に関する規定に焦点を当ててきた。もともとベトナムでは外国人による不動産購入が認められていなかった時期もあったが、近年の相次ぐ関連法令の改正により、以前と比べてベトナムの不動産投資の機会は外資にとってかなりオープンになったと言える。新型コロナウイルスの影響でベトナムへの投資額は一時的に減少傾向にあるものの、コロナ収束以後はさらにベトナムの不動産投資市場が過熱することが予想される。
 

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