ベトナム国会は2025年6月17日、第15期第9回会議において、付加価値税(VAT)を2%引き下げる決議を圧倒的多数で可決した。対象となるのは、改正付加価値税法第48/2024/QH15号の第9条第3項に規定された一部の物品およびサービスであり、税率は従来の10%から8%に引き下げられる。減税の適用期間は、2025年7月1日から2026年12月31日までとされ、約1年半にわたって実施される。
一方で、通信、金融、銀行、証券、保険、不動産、金属製品、鉱産品(石炭を除く)、および酒類・タバコ・ガソリンなど特別消費税対象商品については減税の対象外とされた。また、教育、職業訓練、医療など、もともと付加価値税が非課税とされている分野も減税の必要がないとして対象外となる。

財務大臣グエン・ヴァン・タン氏は、報告の中で、「一律にすべての品目のVATを引き下げるべき」との意見もあったことを紹介しつつ、むしろ支援が必要な業種に絞って減税する方が政策効果が高く、財政的にも持続可能であると説明した。今回の決議では、過去の減税方針よりも適用対象が拡大され、運輸・物流、IT関連サービスなども新たに含まれることとなった。
政府試算によれば、この減税措置により、国家歳入は2025年後半に約3兆9,540億ドン、2026年に約8兆2,200億ドン、合計で約12兆1,740億ドン減少する見通しである。仮に全ての10%課税対象品目に一律で減税を適用した場合、歳入減は約16兆7,000億ドンに達するとの試算もあり、政府は現行案の実行可能性と財政影響のバランスを重視している。
本決議は、国内景気を下支えしつつ、財政健全性にも配慮した現実的な減税措置として評価されている。
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