ベトナムの稲作でCO2排出量を最大65%削減できる可能性
稲作は農業の中で最も温室効果ガスの排出量が多く、二酸化炭素排出量削減とカーボンクレジットは販売の余地が多くある。
稲作は、全世界の食料システムの6〜8%の温室効果ガスを排出しており、畜産が40〜50%を占めている。しかし、東南アジアでは、稲作からの排出量が畜産や他の作物よりも高い。ベトナムの国際稲研究所(IRRI)の気候変動研究グループの専門家、クォック・クアン氏によれば、その原因はこの地域の伝統的な稲作方法がメタンの大量排出を引き起こすことに起因する。「稲田が水に浸されると、分解プロセスが進行し、メタンや他の温室効果ガスが放出される条件が整います」とクアン氏は説明する。
推定では、1ヘクタールの水稲は年間約12.7トンのCO2を排出している。東南アジアでは、ベトナムとインドネシアが稲作から発生するCO2を多く削減できる可能性がある。ベトナムでは低排出技術の適用により、排出量を40〜65%削減できるとクアン氏は言う。
ベトナムは、2030年までにメコンデルタでの100万ヘクタールの高品質で低排出の稲作の持続可能な開発計画を進めている。低排出の稲作は将来的に自発的カーボンクレジット市場に参加することを可能にする。
推定では、100万ヘクタールの高品質稲作によって得られるカーボンクレジットの価値は、1クレジットあたり10ドルで販売された場合、年間1億ドルに達する可能性がある。しかし、排出削減プロセスの実現、カーボンクレジットの認証と販売には多くの課題があることも事実である。