ベトナム国内で、健康や環境への配慮を重視する「グリーン消費」が急速に広まりつつある。価格重視から品質・安全・環境対応への関心の移行が進み、消費者の購買行動が変化している。Co.opmartビンロン店では、環境に優しい包装、自然由来成分の使用、再利用可能な容器などの条件を満たした製品が支持を集めている。さらに、商品の原産地、衛生、賞味期限といった点にも厳しいチェックが設けられ、消費者の信頼構築に繋がっている。
一方、グリーン市場への参入は容易ではない。竹製ストローや木製玩具など一部の環境配慮型製品は、販路不足やコスト高のために市場定着が難しく、撤退を余儀なくされる例もある。つまり、消費者との接点を築けなければ「グリーンビジネス」は成立しないという課題がある。
こうした中、個人や中小企業による模範的な取り組みも増えている。例えば、ヴィンロン市の「ヴィンクアン」では、動物性原料を使わず、植物性ゼラチンのみで製造するヴィーガンゼリーが支持を獲得。環境配慮型のパッケージや印刷物、QRコードを使った情報開示などでブランド価値を高め、OCOP(三ツ星)認証も取得した。
また、「トゥアンユエンフード」は、伝統的な発酵食品「チャオ(豆腐)」をHACCP基準で改良し、栄養成分の透明な表示や輸出対応も進め、カンボジア、米国、カナダ、スイスなどに販路を拡大。だが、近年の規制強化により、法的書類の整備が遅れた小売業者が仕入れを一時停止する事態も発生し、同社の売上は一時50%近く落ち込んだ。
その中で、SNSやEC、移動販売車など新たな販路開拓が進められており、直販型モデルへの転換が進む。今後はさらに新商品でOCOP認証取得を目指し、オンライン販売の専門チーム育成や近代的な流通チャネルへの参入も計画されている。
このように、ベトナムでは消費者の価値観の変化を背景に、環境・健康志向型の「消費と生産の緑化(グリーン化)」が進展しており、国内中小企業の競争力やブランド構築における重要な推進力となっている。
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