2025年上半期、ベトナム電子商取引市場で中国製品がTikTok ShopとShopeeを通じて急速に浸透していることが明らかとなった。調査会社YouNet ECIの報告によれば、Shopee、TikTok Shop、Lazada、Tikiの4大ECサイトにおける取引総額は6か月間で22兆2,100億VND(約1,300億JPY)に達し、前年同期比23%増である。特にTikTok Shopは9兆3,300億VND(約560億JPY)を売り上げ、前年同期比148%増と突出した成長を遂げ、シェアを%から42%へ拡大し、首位Shopee(55%)との差を急速に縮めた。
TikTok Shopの急成長を支えているのは、中国ブランドの台頭である。Colorkey、Goojodoq、Julidoなど多数の中国メーカーがベトナム市場で存在感を強め、売上上位にランクインしている。これに対し、ベトナムブランドはHasakiやCocoonなど一部にとどまり、国際ブランドの存在感も限定的である。ShopeeとLazadaは依然として欧米・韓国の大手ブランドを軸に展開し、Tikiはベトナム製品や書籍分野で独自性を維持している。
中国ブランドの戦略は明確であり、インフルエンサーや芸能人との積極的な提携を通じて市場浸透を加速させている。ミス・ベトナムのLuong Thuy LinhがColorkeyの広告活動に参加するなど、中国企業はKOL活用を体系化し、商品の認知度と売上を拡大している。また、TikTokerやFacebookerを通じた「開封動画」や体験共有が拡散され、無料商品提供や高率のアフィリエイト報酬、さらには中国本土での撮影招待なども行われている。これにより、中国製品はオンライン市場だけでなく、実店舗販売へも広がりを見せている。
一方、ベトナム製品は厳しい競争に直面している。中国側は国境沿いに物流センターや自動化倉庫を建設し、配送リードタイムを短縮。さらに価格競争力を高め、ベトナム中小企業は撤退を余儀なくされるケースも増加している。専門家は、ベトナム政府が税制や輸入規制を強化しつつ、国内産業の競争力向上策を講じる必要があると指摘する。特に品質重視のブランド戦略や農産品のOCOP制度活用、正規流通チャネルとの連携が今後の鍵となる。
ベトナムEC市場は急拡大を続ける一方で、中国製品の影響力が強まる現実が浮き彫りとなっている。今後、国産ブランドがどのように競争力を高めて市場シェアを確保するかが注目されるであろう。
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