米国の報復関税でベトナム主要輸出品に打撃
米国政府による報復関税措置「相互主義関税」が2025年4月9日より発効され、ベトナムを含む多くの国に対し高率の関税が課される見通しとなった。駐米ベトナム通商代表のドー・ゴック・フン氏によれば、ベトナムからの主要輸出品目のうち、電子機器、機械、衣類、履物、木材、ゴム、紙、水産物などが大きな影響を受ける可能性がある。一方で、既に他の関税措置に該当している鉄鋼やアルミ、自動車関連製品、銅、半導体、医薬品、さらには米国内に存在しないエネルギー・鉱物などは除外されている。
フン氏は、今回の措置は米国の通商赤字解消という国家安全保障上の「緊急課題」によるものであり、単なる経済的措置に留まらない点を指摘する。この関税は、トランプ大統領が「脅威が軽減された」と判断するまで継続されるとしている。
これに対しベトナム側は、米国に対する誠実な姿勢を維持し、通商政策の公正さを確保する努力を続けている。ベトナム商工省はすでに米国に対し関税措置の一時的な延期を要請し、TIFA(貿易投資枠組協定)やBTA(ベトナム・米国二国間貿易協定)といった既存の協力メカニズムを通じた交渉の継続を求めている。
さらに、ベトナムは今後、米国からの製品輸入の拡大や米企業の投資誘致を通じて、米国製の部材比率を高め、関税対策としての戦略的バランスを取る方針である。同時に、輸出量の急増回避や市場の多様化、既存FTAの活用も含めた包括的な対応策が必要とされている。
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