ベトナム政府は、大気汚染対策の一環として、2026年7月1日よりハノイ市の環状道路1号内におけるガソリン・ディーゼル車(二輪)通行を全面禁止する方針を示した。これは首相指令第20号に基づくもので、対象地域では電動バイクや公共交通機関など環境配慮型の交通手段のみが認められる。
ハノイ市内では現在、約690万台のバイクが稼働しており、そのうち72%以上が使用年数10年超の老朽車両であり、排出ガスによる大気汚染が深刻化している。市議会はすでに2025年1月から低排出ゾーン(LEZ)政策を開始しており、今回のガソリンバイク禁止はその強化策と位置付けられる。
住民からは環境保護の観点から支持する声がある一方で、電動バイクへの買い替えに対する経済的負担やインフラ不足への懸念も多く寄せられている。特に充電ステーションの不足や車両価格の高さが障壁となっている。
このため、専門家らは政策の円滑な移行に向けて、購入補助金、税優遇、融資支援、インフラ整備、対象車種の明示と罰則規定など、多面的なサポート策の導入を提言している。
ハノイ市当局は、公共交通の拡充と並行して、住民への情報提供や移行支援を迅速に進める必要がある。政策成功の鍵は、市民生活への影響を最小限に抑えつつ、都市の持続可能性を高める包括的対応にある。
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