ベトナムの大手電池メーカー、国内外市場に攻勢強化へ
1976年に設立されたベトナムの老舗蓄電池メーカー「Pinaco」は、2025年に4,000億ドンの売上を目指し、新たに1,000億ドン超の投資を行い、ドンナイ省の工業団地に新工場を建設する計画である。新工場の設計容量は年間130万kWhに及び、VinFastやホンダ、Thaco、Hyundaiなど主要自動車メーカーへの供給拡大を見据えている。
現在、PinacoはVinFastの主力モデルVF5とVF3向けにCMF型バッテリーを全量供給しており、国内売上は総売上の65%を占める。また、同社は東南アジア10カ国を含む44の国・地域へ輸出を展開しており、事業のグローバル化も進んでいる。
一方で、中国や台湾からの安価な輸入製品との競争が激化しており、Vision Group、Kung Long、CSBといった大手外資が市場で影響力を増している。さらに、リチウムイオン電池や燃料電池などの次世代技術が台頭するなか、同社の主力製品であるカーボン・亜鉛電池は成長の限界を迎えつつある。
しかし、依然として鉛蓄電池は価格競争力とリサイクル性の面で優位性があり、今後3~5年間は交通分野で安定した需要が続くと見られている。これを背景に、多くの完成車メーカーが国内メーカーとの連携を重視しており、Pinacoもその一翼を担う。
また、Pinacoは資金調達の一環として2,320万株の新株を既存株主に対して発行予定であり、今後の設備投資と拡張戦略を支える計画である。筆頭株主はベトナム化学工業グループ(Vinachem)であり、日本の古河電池が約10%を保有するなど、海外勢との技術提携も進んでいる。
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