米国の関税措置で苦境、ベトナム水産業界が政府支援を要請
2025年4月9日以降、米国がベトナム産品に最大46%の対抗関税を課したことを受け、ベトナムの水産輸出業界に大きな打撃が広がっている。米国はベトナムの水産品にとって最大級の輸出先であり、年間18~21億ドルの輸出額を誇ってきたが、高関税により輸出停滞や在庫増、資金繰り悪化、雇用への影響などが懸念されている。これを受け、ベトナム水産加工輸出協会(VASEP)は、ブイ・タイン・ソン副首相と関係省庁に向けて緊急支援を要請する文書を提出した。
要請内容は二本柱からなり、第一に生産や輸出手続きを円滑化する法令整備や、抗生物質検査制度の見直し、「水産業技術開発基金」の創設など、制度面の支援を含む。第二に、税制優遇や融資制度、電力料金の軽減、社会保険料支払猶予、販促支援など、資金的・制度的措置が盛り込まれている。とくに米国以外の市場への輸出振興策として、欧米アジア各国の水産展示会への国家予算による出展支援も求めている。
また、VASEPは、業界の苦境が農漁村の雇用や生計に波及する可能性が高いとし、政府による迅速かつ包括的な対応が不可欠と強調。短期的な90日間の関税猶予期間内に、米越間の交渉を通じて恒久的な措置緩和が実現されるかが、水産業界の行方を左右するとの見方もある。
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