ベトナムの発電大手EVNGENCO3は、環境保全と持続可能な発電を目指し、燃料転換や設備改良などによる温室効果ガス削減を進めている。管理下にはガス火力のフーミー、バリア、石炭火力のヴィンタイン2、モンドゥオン1、ニンビンなど、総設備容量5,600MW超の発電所を保有。環境法や水資源法に基づく厳格な監視体制を維持し、排ガス・排水の自動監視(CEMS)や資源の再利用を徹底している。
技術面では、石炭火力での補助燃料を重油(FO)から軽油(DO)へ切り替え、電気集じん機(ESP)の改良、廃水再利用、石炭灰・スラグの湿式処理や完全密閉輸送などを導入。石炭灰の再利用も進み、ヴィンタイン2では2022年以降、年間消費量が発生量を超える水準に達している。モンドゥオン1でもほぼ全量を再利用し、長期契約により安定供給を確保している。
透明性向上のため、主要発電所では環境データを工場前の電子掲示板に表示し、地方環境局と共有。住民もリアルタイムで監視可能とした。緑化活動にも力を入れ、年間約1,000本の植樹、石炭貯蔵や灰捨場周辺の防塵帯整備、敷地の景観改善を行っている。
燃料転換ロードマップでは、2030年までに石炭火力へのバイオマス・アンモニア混焼導入、2045〜2050年にかけて水素やグリーンアンモニアへの全面転換を計画。再エネ・LNGの比率増加や、燃料品質管理・エネルギー監査の強化も進め、2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロ(COP26公約)達成を目指す。
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