ベトナム電力計画8の見直しと再生可能エネルギー拡大題
ベトナム商工省は、2021~2030年のベトナム国家電力開発計画(調整版「ベトナム電力計画8」)について、関係機関やベトナム国内の住民から意見を募っている。2025年2月12日には評価会議が開催され、ベトナム国内の電力供給確保と投資促進に向けた計画の調整内容が議論された。
計画では、2030年までにベトナム国内の電力供給を強化するため、民間やベトナム企業を含む非政府組織から総額30.7~40億米ドルの投資を確保する必要がある。ベトナム国内の電力需要は年10.3~12.5%の成長を想定し、再生可能エネルギーの導入拡大が重要視されている。特に、太陽光発電の設備容量は18GWから34GW、風力発電は19.5GWから22GWに増強する方針である。しかし、分散型太陽光発電の増加に伴う管理・調整の課題も指摘されている。
ベトナム国内の液化天然ガス(LNG)発電については、2024年に発表された政令80により電力直接取引の仕組みが整備されたものの、多くのプロジェクトが遅延している。専門家は、ベトナム政府がガス価格の調整ルールを確立し、LNG発電所の早期稼働を促すべきだと提言している。
また、地域ごとの電力供給の偏りが問題となっている。ベトナム北部では電力不足が懸念される一方で、中部では余剰電力が発生しており、適切な投資分配と地域ごとの電力供給計画が必要とされている。特にベトナム中部は再生可能エネルギーのポテンシャルが高いが、十分に活用されていないため、適切な経済開発戦略が求められている。
ベトナム政府は、原子力発電の再開についても議論を進めており、長期的なエネルギー安定のため、原発建設計画の推進が必要と指摘されている。2030年までに最低3か所で原発建設の準備を進める方針である。また、揚水発電やエネルギー貯蔵技術の導入を加速し、電力供給の安定性を高めることも検討されている。
ベトナム電力市場の競争化も進められており、発電・卸売・小売の全段階において市場原理を導入する計画である。価格体系の見直しを含め、電力料金の透明性と市場競争力の向上が求められている。
ベトナム商工省は、電力網のスマート化と地域間送電の強化を進めるとともに、海底送電ケーブルの導入を検討し、ベトナム国内のエネルギー供給の安定化を図る方針である。ベトナム政府は、これらの取り組みを通じて、持続可能で競争力のあるベトナム電力市場を確立し、ベトナム国内の経済成長を支える基盤を構築することを目指している。
