米中貿易変動に備えるベトナム政府の対応
ベトナム政府は、米国による通商政策の変化、とりわけ関税政策の影響を注視しているが、現時点ではベトナムが直接的な大きな影響を受けているわけではないと述べている。ベトナム商工省のグエン・シン・ニャット・タン次官は、世界的な貿易構造の変動の中で、ベトナム政府は各省庁や地方と連携し、適切な対応策を検討していると説明した。
ベトナムと米国は2023年に包括的戦略的パートナーシップを構築し、米国はベトナムの最大の輸出市場となっている。2024年には両国の貿易額は約1500億米ドルに達し、そのうち1370億米ドルがベトナムからの輸出である。ベトナム政府は両国間の貿易不均衡の主因が経済構造の補完関係にあると考えており、米国消費者にとってベトナム製品は価格競争力のある選択肢であると強調している。
一方で、ベトナム商工省は国内のベトナム企業に対し、米国の通商政策の変化に備えた多様なシナリオへの対応準備を求めている。特に、輸出市場の多様化、製品品質の向上、原材料の原産地管理、環境基準の遵守などが必要とされている。
米国からの直接投資は2024年末時点で119億米ドルに達し、主要な米国企業がすでにベトナム国内で事業を展開している。今後はエネルギー、再生可能エネルギー、水素、原子力発電といった分野での協力も見込まれており、ベトナム政府は米国の企業がこれらの分野で投資しやすい環境を整備していく方針である。
