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高度人材・エンジニア

本当に優秀なベトナム人ITエンジニアの見極め方:効果的な面接・採用方法

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  現在ベトナムのITエンジニア人材に注目が集まっている。日本のIT業界は新型コロナウイルスの影響下で規模を拡大した数少ない業界の1つであるが、続伸する需要に対して優秀な人材の供給が追い付いていない。経済産業省の発表したデータによると、2030年までには国内で約45万人のIT人材が不足すると予測されている。こうした中で、海外のIT人材に注目が集まっている。これまでは中国やインドのエンジニアが多く日本でも採用されてきていたが、中国やインドの経済発展に伴い賃金も上昇し、今ではこれらの国のエンジニアは獲得が難しくなっている。そのような中で、賃金の安さ、エンジニアの能力、人材の豊富さ、文化の親近性などの観点からベトナムのIT人材が注目されるようになってきた。今回はベトナムのIT人材の獲得方法、および本当に優秀なベトナムIT人材の見極め方について解説していきたい。

3つのベトナムIT人材獲得方法

 ITエンジニアは他の産業に比べて多様な雇用形態および契約形態がある。特に代表的な3つの人材獲得方法について紹介したい。

直接採用

 これは自社の社員としてIT人材を採用する方法で、最も一般的な人材獲得方法である。自社社員として採用することにより、中長期的な人材の育成が可能となり、また人材の会社への帰属意識も高まる。

人材派遣

 派遣会社からIT人材を自社オフィスへ派遣してもらう方法になる。派遣社員は派遣会社との雇用関係を結んでおり、自社とは雇用関係がない。期間によって必要な人材の数が上下する、または緊急で特定のスキルを持った人材が必要だという場合に便利な人材獲得方法である。デメリットとしては、人材に対して支払う金額が直接雇用よりも高くなる傾向(派遣会社がマージンを取るため)であり、また社員の自社への帰属意識も薄いという点がある。

準委任契約(SES、ラボ型開発等)

 契約を結ぶ相手企業のIT人材リソースを「レンタル」するようなイメージである。働く場所は相手企業の場合もあるが、自社へ常駐をお願いすることも可能である。契約関係としては、IT人材は相手企業の社員であり、自社は相手企業と「準委任契約」を結ぶことになる。人材派遣との違いは、あくまで作業の指示はIT人材の雇用企業である相手企業が出す点である。よくあるスキームとしては、自社を担当するプロジェクトマネージャー(PM)がおり、PMが自社の要望をかみ砕いて、その下のエンジニアたちに伝えていくイメージである。あくまで間接的な人材獲得の方法となる。自社でIT関連の知識がない場合は、相手企業のPMが様々な支持を出してくれるため、人材派遣よりも自社の負担が少ないメリットがある。デメリットとしてはコストが高い、またエンジニアの帰属意識が低い等が挙げられる。また情報セキュリティの面でもラボ型契約の際には気になるポイントだ。ラボ型サービスを提供している会社の多くは、オプションで特定の顧客専用のセキュリティルームを設置し、アサインされた人材がそこでのみ作業をさせることが可能なようになっている。

2.優秀なIT人材の見極め方

 上記で挙げた3つのどの方法で人材を獲得するにせよ、本当に優秀な人材を選び取ることがその後の開発を円滑に進めていくための重要なポイントだ。今回は当該人材が、自社が本当に求めている能力・経験を有しているかを判断するための3つのポイントを解説する。

スキルシートだけで判断しない:これまでの経験・身に付けたスキルに対する深掘りの質問をする

 IT人材を獲得する際には、その人材が対応できる開発カテゴリ、言語、フレームワーク等がまとめられたスキルシートが提出されることが一般的だ。このスキルシートを確認することで、当該人材がどのような開発ができるのかを簡単に確認することができる。

しかしスキルシートのみで当該人材が有望であると判断するのは安直である。たとえば「Ruby」が使えると言っても、どの程度のレベルで使えるのか、何年程度の経験があるのか、具体的にその言語を使用してどのような開発実績があるのか等の深い情報までは、スキルシートでは見えてこないためである。

 面接する人材を選別するための書類選考として、スキルシートを参考にすることは問題ないが、その内容を全て鵜呑みにすることは危険である。実際の面接にて、「ここにRubyが使えるとありますが、どのような開発を担当しましたか?何年間の経験がありますか?」という深掘りの質問をすることが大切だ。

抽象的な要望をどこまで具体的な設計に落とし込めるのかを確認する

 あるシステムを開発していく背景には、「このような課題を解決したい」というニーズがあり、それをシステムの機能によって実現していくという目的がある。例えば「複数の倉庫において入出荷する予定の製品、それらの検品作業の結果を一元化して管理したい」というニーズがあったとすると、まずはそのニーズをどのような機能によって解決していくかをIT人材が自分で考える必要がある。詳細なシステムの設計図や、それに搭載する機能については何度も打ち合わせを行いながら基本設計書、そこからさらに詳細設計書に落とし込んでいくという作業を行う。しかし、人材の選定の際にはそこまで実際に作ってもらう余裕はない。

 そのため、面接にて「例えば、このようなシステム開発のニーズがあったとしたら、どのような機能・システムでこれらを解決していきますか?」という質問をその場で投げかけて、当該人材がどこまで的確な回答ができるかを判断するという方法が有効だ。場合によっては、その場でメモ用紙などに図解してもらうことも良い。そうすることで、当該人材が本当にITに関する包括的な知識を有していると判断することができる。

スキルだけでなく、人柄も重要:言葉遣いやメール対応などで、一緒に仕事ができるかどうかを判断する

 IT人材の選定の際には、その人材の専門的なスキルに目が行きがちで、ビジネスマンとしてのマナーや性格の確認が疎かになってしまうことも少なくない。しかし、いくら優秀な人材であっても性格が会社の雰囲気に合っていない、または基本的なビジネスマナーを欠いている人材とは一緒に仕事はできないだろう。

 面接の際に会話の中で確認していくのはもちろんだが、メール対応の速さ、期日までに楊重された資料や書類を提出できるか、こちらからの質問にどれ程丁寧に回答しているか等も総合的に判断した上で、当該人材を採用するかの最終判断を下すべきである。

 その人を本当にビジネスの「仲間」として受け入れることができるか。これはスキルや実績などを超えたところで、最終的に個々の企業が判断していくポイントになる。

まとめ

 今回は本当に優秀なIT人材を獲得する方法について、一般的な3つの獲得方法と、人材の選定方法を紹介した。今回の話はベトナム人材に限った話ではない。しかし多くの企業がベトナム人材を採用する際には、人材紹介会社、派遣会社またはオフショア企業などに任せきりになってしまい、自社での採用判断が適当になってしまう場合も少なくない。ぜひ本レポートを読まれた企業の方には上記で挙げたポイントを実践していただき、優秀なベトナムIT人材を獲得していただきたい。

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