ハイフォン市の特徴
本レポートでは、ベトナムのハイフォン市の概要を網羅的に解説する。
地理
ハイフォンは、首都ハノイから 106 キロの北海岸の東に位置する沿岸都市である。ハイフォンは、中央政府直轄の 5 つの省の 1 つであり、ハノイ、ハイフォン、クアンニンを含む北部の重要な経済三角地帯に位置する。ハイフォンは、ベトナムと中国の経済関係や、社会・科学・技術・北部地域の安全や防衛の面で重要な位置にある市である。
ハイフォンには125キロを超える海岸線があり、海港と観光に大きな利益をもたらしている。白い砂浜や透き通った青い海が特徴のカットバ島、ランハ湾やハロン湾周辺の島々等がある。
人口
2021 年、ハイフォン市の平均人口は約 210 万人で、全国の人口の2.11%を占めている。男性は102.5万人で49.45%を占め、女性は104.74万人で人口の50.54%を占める。
労働資源と平均給与
ハイフォンは若者が多く、労働力は120 万人で、そのうち職業訓練を受けた労働者が75% である。 ハイフォンの経済管理委員会によると、工業団地での労働需要は増加し続け、平均で年間 16% 近く増加している。
ハイフォンの最低賃金は、すべての地区 (地域 I) で 4,680,000 VND/月である。 特に、Bach Long Vi 島地区(地域 II)の最低賃金は4,160,000 VND/月で比較的低い。2021 年の 1 人当たりの平均収入は 509 万 VND/月で、ベトナムで 6 位となった(総合統計局の調査による)。
平均給与
– 単純労働に対する平均給与: 1月あたり600~1200万 VND
– マネージャーに対する平均給与: 1月あたり1200~3000万 VND
インフラ
ハイフォン市は北部最大の沿岸都市であり、国内および国際の水路、陸上、鉄道、航空などの重要な交通の中心地でもある。また、首都ハノイと北部地方への玄関でもあり、北部主要経済地区の開発の場でもある。カットビ国際空港は南西に位置し、市内中心部から5キロの距離にあり、ノイバイ国際空港のバックアップ空港である。ホーチミン市、ダナン、プレイク、ダラット、フーコックなどへの国内線だけではなく、バンコク (タイ)、仁川 (韓国)、昆明 (中国) への国際線もある。2025年に同空港の乗客数は年間200 万人に達す見込みである。これは、ピーク時は 800 人の乗客、年間 2万トンの貨物に相当する。
ハイフォンからの鉄道路線は、ハイフォンから南部および北部への商品や乗客の輸送に役立つ。この南寧 (中国) に接続されている鉄道は、ランソン・ラオカイ経由で昆明 (中国)に直行できる。
産業の強み
ハイフォンは現在、14の工業団地が稼働している。2025年までに総面積6,148ヘクタール、15の工業団地を開発する予定である。
ハイフォンの工場の平均賃貸価格は、月間4 ~ 6 USD/㎡、手数料は月間0.5 USD/m2である。工場は規模が大きく、好立地で交通の利便性が高い工場であるほど賃料も高くなる。
工業団地 | 面積(ha) | 主な産業 |
ナム・ディン・ヴ | 1.329 | 非鉄金属製造業倉庫業、繊維工業、卸売業、電子産業、 |
DEEP C | 1.463 | 非鉄金属製造業倉庫業、繊維工業、石油製造業、化学工業 |
チャン・ズエ | 600 | 電子産業、ハイテク産業 |
ナム・カウ・キエン | 263,47 | サービス業、ハイテク産業、輸送用機械器具製造業 |
ドー・ソン | 150 | ハイテク産業 |
ハイフォン市の経済発展状況
本章では、ハイフォン市の経済を解説する。
経済成長
2021 年、ハイフォンの GRDP 指数は2137946億ドンに達し、ベトナムの63地域中 5 位となった。2021 年の経済成長率は12.38%に達し、ベトナムをリードしている。 一人当たりの GRDPは 7,300 米ドル(2021年)に達した。
産業はハイテクで環境に優しい業界を中心に発展している。2022 年の前半6か月間は、2021 年の同時期と比較して、工業生産、建設、物流、サービスなど、多くの産業が順調に成長している。
企業数
2021 年末時点、ハイフォン市の企業総数は 19,806 社、そのうち新規設立企業数は 3,034 社である。
2022 年の前半7 か月で、ハイフォンの直接投資 (FDI) の資本総額は11億米ドルに達し、ベトナムの FDI で5 位となった。2022 年 8 月時点で、 827 件の有効な FDI プロジェクトがあり、登録された総投資資本は約 240 億米ドルである。そのうち、工業団地において444 件の FDI プロジェクトを誘致し、総資本は約 220 億米ドルに達した。
投資誘致のプロジェクト
ハイフォン市の FDIの3 つの柱は、ハイテク産業、物流、観光・貿易である。ハイフォンは FDIを積極的に誘致している。LG、ペガトロン、USI、ブリヂストンなど、世界の多くの大手企業が投資先としてハイフォンを選択し、チャン・ズエ工業団地にあるLG グループ (韓国) の生産施設など、大規模な産業クラスターを形成した。
ハイフォン市における日本企業の投資状況
2021 年末時点、ハイフォン市には 6 件の日本からの FDI プロジェクトがあり、登録された総投資資本は約 4,540 万米ドルである。加工および製造業が4件、農林水産業が1件、コンサルティングが1件である。基本的に、日系企業のプロジェクトはディンブー、VSIP、チャンズエ、野村工業団地に集まっている。
案件名 | 投資主 | 分野 | 投資年 |
ベトナムのブリヂストンタイヤ工場 | Bridgestone Japan | 部品製造 | 2012 |
ニプロファーマベトナム工場 | Nipro Pharma Group Japan | 医薬品および医療機器 | 2012 |
ゼオンベトナム工場 | Zeon Group Japan | 金属製品の製造 | 2012 |
NISHINA INDUSTRIES VIETNAM CO., LTD | Nishina Viet Nam | 機械製造・加工 | 2012 |
関連情報
- ハイフォン市の計画投資局
サイト: https://haiphongdpi.gov.vn/
住所: 1号、Dinh Tien Hoang通り、Hong Bang区、ハイフォン市
【関連記事】ベトナムの他の省については、以下をご覧ください。
ベトナム市場の情報収集を支援します
ベトナム市場での情報収集にお困りの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
VietBizは日本企業の海外事業・ベトナム事業担当者向けに市場調査、現地パートナー探索、ビジネスマッチング、販路開拓、M&A・合弁支援サービスを提供しています。
ベトナム特化の経営コンサルティング会社、ONE-VALUE株式会社はベトナム事業に関するご相談を随時無料でこちらから受け付けております。