ザライ省(Gia Lai)の基本情報│ベトナム63省を徹底解説

ザライ省の特徴
ザライ省の経済発展状況
ザライ省における日本企業の投資状況
関連情報
ベトナム市場の情報収集を支援します

ザライ省の特徴

本レポートでは、ベトナムのザライ省の概要を網羅的に解説する。

地理

ザライ省は北中央高原に位置し、西はカンボジアと90kmにわたり国境を接している。

標高の高い地形と多くの河川に恵まれており、水力発電産業の発展に非常に適している。また、玄武岩の赤土が多く、様々な産業プラントや林産物の開発に非常に適している。

人口

ザライ省の人口は約150万人（2019年）、人口密度は98人/km²である。山が多い地形のため、人口はかなりまばらになっている。 

労働資源と平均給与

同省の労働者の80％が農業、6％が工業、14％がサービス業に従事している。 

地域の最低賃金：最も高いのはプレイク市（地域Ⅲ）で364万ドン/月、最も低いのは地域VIで325万ドン/月である。 

インフラ

道路：同省は、クイニョン港とレタイン国際国境ゲートを結ぶ国道14号、14C、19号、フーイエンへの国道25号、カンボジアとつながるレタイン国際国境ゲートを備えており、便利な道路交通網を有している。 

空路：ノイ市、ホーチミン市、ダナン市、ハイフォン市などの大都市と結ばれている。 

電気：標高が高く、河川が多いため、ザライ省には80以上の水力発電所がある。その中でもイアリー水力発電所は中部地方最大の水力発電所である。 

産業の強み

林業：ザライ省には100haの林業用地があり、中央高原の林業用地面積の28%、森林面積の30%、木材埋蔵量の38%を占めている。伐採された木材の年間生産量は16万〜18万m³で、大規模な木製品やパルプ製品の加工用原料の需要に応えている。 

農業：ザライ省は50万haの農地を有し、そのうち29万1000ha以上が一年生作物、20万8000ha以上が多年生作物であり、農業発展の大きな可能性を秘めている。 

鉱業界：ザライ省はボーキサイト鉱石、金、鉄鉱山、花崗岩などの豊富な鉱物資源を有しており、鉱産物採掘加工業の発展に適している。 

観光：ザライ省は、多様な生態系や原生林、滝、自然湖や人工湖等の多くの観光地がある。また、ザライ省には多くの祭りがあり、ユネスコの文化遺産に認定されたゴングの文化的空間がある。 

工業団地の数：ザライ省には現在、1つの経済特区と3つの工業団地がある。 

ザライ省で稼働している工業団地は以下の通りである 

工業団地名	面積 (ha)	主な事業内容
Tra Đa工業団地	213	農林水産加工業、食料品製造業、建設資材業、電子機器製造業
Nam Pleiku工業団地	199.55	農林水産加工業、食料品製造業、バイオ燃料生産産業、飼料製造業、化学工業、精密機械器具製造業、電子産業、衣料品製造業

ザライ省の経済発展状況

本章では、ザライ省の経済を解説する。

経済成長

2021年、ザライ省のGRDPは2020年と比較して9.71%増加し、中央高原地域のGRDPの増加率としては最も高かった。 

工業-建設の増加率は21.97％で、同省のGRDP増加率で最も高い割合を占めた。次いで、貿易-サービス（1.52％増）、農業-林業-漁業（4.88％増）となった。 

企業数

2021年末までに、ザライ省の企業総数は4,837社、同省に新たに設立された企業数は805社であった。 

2021年末までに、Tra Da工業団地は5つのFDIプロジェクトを誘致し、総登録投資資本は4264億ドン（ザライ省の工業団地の総投資プロジェクトの8.1％を占めた）となった。 

投資誘致のプロジェクト

ザライ省は、大規模農業、ハイテク農業、加工産業、観光産業を発展させる潜在能力がある。特に、エコロジー農業は嘉莱市のFDI誘致における戦略的方向性となっている。農産物のサプライチェーンと消費における循環型エコシステムを構築するため、ハイテク農業サービス、森林開発、農産物・果実加工産業などに焦点を当てる。 

ザライ省における日本企業の投資状況

ザライ省は、ハイテク農業、加工業、再生可能エネルギー、観光などの分野で投資を誘致している。 

プロジェクト名	投資家	区分	投資年
Phuong Di Honey Cooperativeの蜂蜜を提供	Akira Japan株式会社	農産加工	2022
ダックドア産業クラスター	Viet Phuc社とShinec社	インフラ	2022