2025年後半のベトナムにおけるエビ輸出の動向は、主に以下の3要素に左右されるとされる。すなわち、①米国の関税政策(対抗関税、反ダンピング税、補助金相殺税)、②輸出企業の市場再編能力、③国内の病害リスクと生産コストである。
2025年前半、ベトナムのエビ輸出は好調で、前年比27%増の20億USDを記録した。中でも、白エビ(62.1%)とその他エビ(27.4%)が伸長し、特にその他エビは124%増と急成長した。最大輸出先は中国で、前年比81%増の5億9500万USDとなり、消費回復と夏季需要が背景にある。CPTPP加盟国向けも好調で、日本(+19%)、オーストラリア(+5%)、カナダ(+6%)といった市場が支えた。EUや韓国、台湾向けも2桁成長を見せた。一方で、米国市場は減速傾向にあり、6月は関税回避目的で5月に前倒し出荷した反動で37%減となった。
国内では、米国の関税延期(8月1日まで)に伴い、白エビ・黒虎エビともに価格が急騰。養殖業者と加工工場間での価格競争が激化し、コスト上昇が続く。
VASEP(ベトナム水産加工・輸出協会)の専門家は、7月以降の輸出は鈍化すると予測。米国の最終税率が高水準に達した場合、同国向け輸出は大きく減少し、業界全体の輸出額にも影響を与える可能性があると警鐘を鳴らす。
こうした不確実性に対応するため、VASEPは輸出企業に対し、米国依存からの脱却、多市場戦略(EU、日本、中国など)の加速、EVFTAやCPTPPなどのFTA活用、加工品(高付加価値・即食向け)の開発を推奨している。また、デジタル技術の導入や生産地の標準化、法務・財務体制の整備を通じ、変動リスクへの柔軟な対応が求められている。
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