ベトナム政府とベトナム企業は、日本市場への輸出拡大を戦略的に進めている。2024年のベトナムと日本の貿易額は前年比2.78%増の462.3億ドルに達し、特に繊維製品、木材加工品、機械、農産物などが主力品目として高い存在感を示した。日本との自由貿易協定(VJEPA、AJCEP、CPTPP、RCEP)による関税優遇が、輸出促進に大きく寄与している。
市場規模1億2千万人を超える日本では、品質・安全性・環境性能が重視されており、ベトナム企業は商品力の強化と柔軟なマーケティング戦略が求められる。とりわけ、環境配慮型商品や高齢者向け技術製品などが有望分野とされる。実際に、ベトナムは日本の繊維・履物市場の17.2%を占め、輸入依存度98.5%という背景からも潜在需要は大きい。
農産品も好調で、コーヒーやカカオ、果物などの輸入は前年比で大幅に増加した。一方で、オーガニック認証や原産地証明など、日本の厳格な制度への対応が不可欠である。また、物流面では通関の遅延による罰金や、文化的な意思疎通の難しさなどが指摘されており、現地商習慣への理解とプロ対応が求められる。
さらに、日本の為替法やOFAC規制への無理解は資産凍結などのリスクも伴うため、金融機関の助言やC/O証明書を活用した税制優遇措置の利用が推奨される。加えて、楽天・Amazon JapanなどのEC活用や、現地展示会への参加も販路開拓の有効手段である。
ホーチミン市などの地方政府によるプロモーション支援や在日ベトナム人コミュニティのネットワーク活用も含め、ベトナム企業が日本市場で長期的な競争力を構築するには、製品品質の向上、制度対応力、マーケティングの強化が不可欠である。
ベトナム経済・ビジネス関連の有料レポートはこちらからもご覧いただけます。
