ベトナムの農業×太陽光発電モデルの可能性
ベトナムは再生可能エネルギーの推進に力を入れており、特に太陽光発電の導入が進んでいる。しかし、太陽光発電の拡大には広大な土地が必要であり、農地の転用が地元住民の生計に影響を与えるなどの課題がある。そのため、農業と太陽光発電を組み合わせたモデルが注目され、すでに国内外で導入が進んでいる。
ベトナムでは、農業と太陽光発電を融合させたプロジェクトが多数展開されており、トウモロコシやキノコ栽培、家畜や水産養殖と組み合わせた事例が見られる。例えば、太陽光パネルを設置したキノコ栽培では、温度が6~7度下がり、収穫量が30~40%向上し、コストが約30%削減される効果が確認されている。また、畜産業では太陽光パネルが家畜舎の温度を調整し、飼料消費量を3~4%削減し、収益を2~5%向上させるなどの利点がある。
AMI研究所の副所長であるド・フイ・ティエップ氏は、農業と太陽光発電を組み合わせることで持続可能な農業と再生可能エネルギーの発展が促進され、ベトナムの温室効果ガス排出削減目標(Net Zero)の達成にも貢献すると述べている。また、2030年以降の展望として、農業用地に低密度で太陽光パネルを設置するモデルが発展すると予測されている。
ベトナム農業環境研究所のマイ・ヴァン・チン所長は、このモデルが農業の安定した電力供給、作物や家畜の生産性向上、農村地域の雇用創出、地元農民と投資家の対立回避、さらには温室効果ガス削減に貢献すると指摘する。しかし、普及には高額な初期投資、多目的土地利用の法整備、適した作物の科学的研究不足といった課題がある。今後は政策の整備と技術革新が必要となる。


