はじめに
ベトナムは順調に経済成長を遂げており、2030年にはイギリスとフランスを追い抜き、世界で11番目に大きな消費市場となることが見込まれている。これは、ベトナム経済の発展と中間所得層の拡大が要因である。
2030年:ベトナムの市場規模が躍進
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Savills World Researchによると、2030年までにベトナムの消費者人口は8,000万人に達すると見込まれていて、これによりベトナムはドイツやトルコと並んで、世界で11位の消費市場にランクインすることになる。一方、中国(11億人)、インド(7億7,300万人)、アメリカ(3億4,800万人)がトップ3を占め続けるとされている。
トップ20にランクインする市場のうち、9つがアジア太平洋地域に位置している。これには中国、インド、インドネシア、日本、パキスタン、バングラデシュ、ベトナム、タイ、フィリピンが含まれる。特に、この地域では1日あたり12ドル以上を消費する人口が、2024年の19億人から2030年には25億人に増加すると予測されていて、アジアの消費者が世界の小売市場に与える影響が高まることが期待されている。
さらに、HSBC Global Researchはベトナムの中間所得層が急速に拡大していることを指摘している。1日あたり50-110ドルの収入を得る中間所得層は、年平均17%の割合で成長しており、2030年にはベトナムが世界で11位の消費市場になる可能性があると述べられている。この中間所得層の拡大は、ベトナムの国内外の企業にとって重要なビジネスチャンスとなる。
世界消費市場の推移
世界の消費市場の動向として、オンラインショッピングが増加しているが、オフラインショップは立地の良さと高い認知度に支えられ、回復傾向にある。また、アジア太平洋地域では、観光業の復活とインフレの沈静化により消費市場が回復している。2024年には、アジアの大部分のショッピングモールで家賃が0-5%上昇すると予測されており、リテール業界にとって明るい兆しとなっている。