2025年8月31日、T&T Groupの子会社であるSavan 1風力発電有限責任会社は、ラオス・サワンナケート省に建設中の風力発電所「Savan 1」からベトナムに接続する220kV送電線をわずか6か月余で完成させた。本送電線は全長52.56km、117基の鉄塔から構成され、総延長でラオス国内を貫通し、ベトナム国境のセーポン川を越えて国家電力網に接続する「生命線」となる設備である。
同事業は2025年1月9日にベトナム・ラオス投資協力会議で正式に調印され、ラオス政府が25年間のコンセッション契約をT&T Groupに付与したものである。Savan 1風力発電所は総設備容量495MW、総投資額7億6,800万USDに達し、第1期(300MW、4億9,000万USD)は2025年末に商業運転開始(COD)を予定している。
送電線の早期完成は、同発電所からの電力を予定通りベトナムに輸出するための前提条件であり、国境を跨いだ電力輸入戦略の一環として電力計画VIII(PDP8)の方向性とも合致する。今回の完成により、T&T Groupは「国境を越えるエネルギー投資戦略」を一歩前進させ、ベトナムの電力供給安定化、脱炭素推進、そしてベトナム・ラオスの経済連携強化に寄与する。
T&T Groupは2035年までに発電容量16,000〜20,000MWを目指し、国内電力シェアの約10%を担う計画である。その中核は風力・太陽光・LNG・バイオマス・グリーン水素などクリーンエネルギーであり、2050年カーボンニュートラル目標に直結する。すでに同社は累計2,800MW規模の投資を実施し、国内で約1,000MWを稼働済みである。また、韓国のHanwha、KOGAS、日本の丸紅、双日、JPowerなど世界的企業との協業も進めており、Standard Charteredは60億USDのグリーンファイナンス供与を約束している。
今後は2025年末までにSavan 1風力第1期を商業運転に乗せ、さらに2030年までに複数の再エネ案件やLNG発電、BESS導入を推進する予定である。課題は系統接続や価格枠組み、国際送電規制への対応であり、今後のエネルギー安全保障と電力市場の持続的成長に直結する重要局面を迎えている。
ベトナム経済・ビジネス関連の有料レポートはこちらからもご覧いただけます。
