ベトナム南部3省の合併報道で不動産高騰の兆し
2025年4月12日、ベトナム党中央が「決議60-NQ/TW」を発表し、34省・市の統合計画を明確にした。この中でも特に注目されているのが、ホーチミン市とビンズオン省、バリア=ブンタウ省の合併構想である。これにより南部の経済拠点が統合され、港湾、工業、都市機能が融合する“超都市圏”が形成される可能性が浮上している。
不動産市場ではこの動きを先取りする形で、ビンズオン省やバリア=ブンタウ省の都市部、特にホーチミン市に隣接する地域(ディーアン市、トゥアンアン市、フーミー市など)で地価が上昇傾向にある。インフラ整備や法制度統合が進めば、これらの地域はホーチミン市と同等の経済価値を持つと見なされるようになるため、「定価の見直し(re-pricing)」が起こるとみられている。
不動産専門家や開発事業者は、この合併により新たな需要が喚起され、住宅、商業施設、物流施設への投資が加速すると指摘。既に中価格帯マンションの新規供給や投資家向けの柔軟な支払いプランも登場しており、合併によって「地方住宅」という心理的障壁が取り払われることが期待されている。
一方、価格の高騰に対する懸念も根強く、短期的な土地価格の“バブル化”や、法整備・都市計画の遅延による不透明感を指摘する声もある。ただし、長期的には社会インフラや都市計画の統一、交通網の整備などが経済価値を押し上げ、特に若年層や投資家にとって魅力的な市場へと成長する可能性が高い。
不動産開発業者は、すでに「ホーチミン市圏」内での開発を見据えた商品展開を進めており、物件価格は今後さらに上昇する可能性がある。このような合併構想は、単なる行政再編にとどまらず、南部全体の都市構造と経済基盤を底から再構築するインパクトを持つ動きといえる。
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