ベトナムにおける港湾のグリーン化とDX

はじめに

2030年以降、ベトナムの港湾計画、港湾への投資および運営において、「グリーン港湾」基準が義務化されることが予定されている。これは、ベトナムの港湾業界における持続可能性と効率性の向上を目指す重要なステップである。

2022年末にベトナム海運局が発表した「グリーン港湾」基準には、再生可能エネルギーの利用、温室効果ガス排出削減のためのグリーン電力やグリーン燃料の使用、港湾運営の最適化とデジタル化などが含まれている。

ベトナム交通輸省（MOT）の管轄であるベトナム海運局は、「グリーン港湾開発プロジェクト」を実施する計画を発表している。このプロジェクトでは、2023年から「グリーン港湾」のモデルがベトナムの一部の港湾で試験的に導入されている。

ベトナム南部にあるPV GasのLNG基地は、試験的にグリーン港湾モデルが採用された港の一つである。ここでは、エネルギー利用の管理に先端技術を導入し、「グリーン港湾」モデルへの移行を進めている。この取り組みにより、毎月の電力消費が20％削減され、港湾にかかる電気料金も約10億ドン減少している。

Long An Port Joint Stock Companyは、ロンアン港において、空きスペースのグリーン化、太陽光発電システムの導入、1,000人以上の労働者向け食堂の建設など、往来車両からの排出削減に向けた投資を行っている。また、再生可能エネルギー発電システムへの投資も進めている。

港湾のグリーン化とデジタル化は、ベトナムが国際的な物流センターを目指す上で重要な要件である。これらの取り組みは、環境への影響を最小限に抑えつつ、港湾業界の効率性と競争力を高めることに寄与する。ベトナムの港湾業界はこれらの革新的な取り組みを通じて、持続可能な社会を目指す。