スマート農業に関心のある企業・団体とのマッチングを支援
現在、ONE-VALUEは日本農林水産省から委託を受け実施している「令和 6 年度食産業の戦略的海外展開支援事業のうち 東南アジアにおけるスマート農業の実証支援委託事業」において、参加企業募集している。
本事業は、日本企業が保有するスマート農業技術について、東南アジア地域 を中心に広く展開していくことを目的とし、今年度はベトナムで実施する運びとなった(一昨年度はタイ、昨年度はフィリピンで開始)。スマート農業技術を有する日本企業がベトナムで事業を展開する足掛かりとして、ベトナムの企業や団体とのマッチングを行う。将来的には両者がパートナーとしてスマート農業技術を駆使した活動をベトナムで行うことを目指している。関心がある日本企業には是非応募を検討していただきたいと思っている。
ベトナムのスマート農業の概観
農業はベトナムの主要産業の一つであり、多くの農産物が世界トップの輸出量を誇るなど、ベトナム経済に大きな貢献をしている。
近年、その中でもスマート農業(またはハイテク農業)が注目をされてきている。スマート農業とは、新しい高度な技術(機械化、自動化、IT、バイオテクノロジー、新規な農業モデルなど)を農業生産に活用し、農産物の生産性と品質を向上させ、産業の持続的発展を目的とする農業である。
ベトナム政府は2023年3月に「2030年までの透明かつ責任ある持続可能な食料システムへの転換に関する国家行動計画」を策定し、企業や組合、農民組織レベルにおいてもデジタル技術の開発研究・適用を促進し、安全で透明な食糧システム構築することの重要性について言及している。
求められる海外のスマート農業技術
ベトナムでも近年、ラムドン、ハノイ、ニントゥアンなどの地域で、複数の企業や協同組合がスマート農業を積極的に取り入れ、一定の効果を上げている。主な応用技術としては、ビニールハウスや温室での栽培、高効率な灌漑技術(自動・半自動スプリンクラー、点滴灌漑)、農業管理におけるIoT技術の活用、植物の健康評価・モニタリング・播種・散布などにおけるドローンの活用などである。
一方で、ベトナムがスマート農業を展開していく中で、技術的な課題が一番のネックとなっている。スマート農業の普及には、データ管理技術、自動化技術、環境制御技術、教育と技術継承などの支援が必要とされているが、ベトナムはこれらの技術力が高くなく、また扱える人材も不足している。
ベトナムの農業は、生産性や付加価値の低さが課題とされているが、外国企業のスマート農業技術を導入することで、これらの課題解決に向けた取り組みが進められている。