はじめに
本レポートでは、ベトナム出張・駐在を乗り切る10のベトナム語フレーズを紹介していきます。
日本にいる外国人が日本語を話すことで、日本人が喜ぶのと同じように、ベトナムにいる日本人がベトナム語を話すことに対して、ベトナム人も喜ぶことが多いです。
そして、言語の壁を越えた双方向のコミュニケーションは、相互理解を深め、良好な人間関係の構築に寄与することが期待されます。
ベトナム語の基本・日常のフレーズ
まずはベトナム語の基本的なフレーズを学び、出張・駐在の第一歩を踏み出しましょう。
挨拶
ベトナムに行けば、一度は「Xin Chào(シンチャオ)」というフレーズを耳にすると思います。「こんにちは」という意味を指しますが、昼だけではなく朝・夜でも使うことができます。ベトナムでは、少し丁寧な挨拶フレーズとして用いられます。
ベトナムで日常的に使用される「Chào+人称代名詞」の挨拶フレーズをお伝えします。
自分より年下の男女:「Chào em(チャオ エム)」
幼児から10代の男女:「Chào cháu(チャオ チャウ)」
20代から30代の男性:「Chào anh(チャオ アン)」
20代から30代の女性:「Chào chị(チャオ チ)」
30代から40代の男性:「Chào chú(チャオ チュ)」
30代から40代の女性:「Chào cô(チャオ コー)」
40代から50代の男女:「Chào bác(チャオ バク)」
50代から60代の女性:「Chào bà(チャオ バ)」
50代から60代の男性:「Chào ông(チャオ オング)」
※相手との年齢差や立場によって異なります。
ありがとう&ごめんなさい
ベトナム語でありがとうの気持ちを伝えたい時は、「Cám ơn(カム オン)」というフレーズを使います。さらに「Cám ơn」の前後に人称代名詞を付けることで、より一層相手へ感謝の気持ちを込めることができます。
また「Xin cám ơn」というフレーズは少し丁寧で、日本語で「ありがとうございます」というニュアンスになります。
すみません(Excuse me、店員さんや人の呼び方)
ベトナム語で「すみません」と言って誰かに謝ったり、呼び止めたりしたい時には「xin lỗi (シン ロイ)」と言います。
- 自分より年下の男女 :「em ơi (エム オイ)」
- 幼児から10代の男女 :「cháu ơi(チャウ オイ)」
- 20代から30代の男性:「anh ơi(アン オイ)」
- 20代から30代の女性:「chị ơi(チ オイ)」
- 30代から40代の男性:「chú ơi(チュ オイ)
- 30代から40代の女性:「cô ơi (コー オイ)」
- 40代から50代の男女:「bác ơi(バクオイ)」
- 50代から60代の女性:「bà ơi(バ オイ)」
- 50代から60代の男性:「ông ơi(オング オイ)」
ベトナムのお店で店員を呼ぶ時の、年代別の呼びかけフレーズを紹介します。
※相手との年齢差や立場によって異なります。
出張・駐在において、仕事の時には「Cám ơn」と相手から言われることが多くなると思います。、「どういたしまして」と返したい時は、「Không có gì (ホン コー ジー)」というフレーズを使います。
ベトナム語で「Không có gì」は「何もない」、「問題ない」という意味を持ちます。そのため、「問題ないよ」「どういたしまして」という意味で使うことができます。
さようなら
ベトナム語で「Tạm biệt(タム ビェッ)」は「さようなら」という意味を指しますが、このフレーズは特定の状況で使われるフレーズです。このフレーズは、出張・駐在が終わってベトナムを離れる時や、再開の見込みがない相手に別れを告げる場合に使います。日常生活で、明日会うような相手に使うフレーズではないため、注意が必要です。
ベトナムの日常ではこんにちはと同様に、別れの挨拶でも「Xin Chào(シンチャオ)」や「Chào+人称代名詞」を使い、相手に応じた呼びかけを行います。
はい&いいえ
ベトナムでは北部と南部で「はい」という言い方は異なります。一般的に北部では「Vâng(ヴァン)」、南部では「Dạ(ヤー)」と言います。「Da」は北部でも使われることがありますが、南部とは異なり、「Da(ダ)」と発音します。
ベトナム語で「いいえ」は「Không」と言いますが、「kh」の発音が有気音であるため、日本人にとっては発音が難しいとされています。
仕事のフレーズ
この章では、特に出張・駐在で活用できるベトナム語のフレーズを紹介していきます。ビジネスの場においても、挨拶や自己紹介をベトナム語で行うことで、相手に良い印象を与えやすくなります。現地の言語を使用することで、相手の文化を尊重する姿勢が伝わり、出張・駐在の成功に寄与することもあるかもしれません。
自己紹介
ベトナムの自己紹介では、相手にXin Chàoと挨拶することが重要です。
次に「Tôi tên là 名前(トイ・テン・ラ 名前)」、「Tôi đến từ 出身地(トイ・デン・トゥ 出身地)」というフレーズを使い、名前と出身地を伝えます。
さらに、お互いの職業を共有すれば、コミュニケーションがより盛り上がるかもしれません。
ビジネスメールのフレーズ
ベトナムに出張・駐在をしている時は、ビジネスパートナーとの間で、ベトナム語によるメールでのやり取りをする機会があると思います。
ベトナム語のビジネスメールでは、初めに「Kính gửi [相手の名前](敬具 [相手の名前])」、「Xin chào [相手の名前](こんにちは [相手の名前])」と書き、挨拶をします。
また本文に入る時には、例えば「Tôi viết email này để…(このメールは…について書いています。)」と書き、要点を分かりやすくすることが重要です。
終わりは、例えば「Trân trọng」と書き、相手への感謝や尊敬の気持ちを再度伝えることが大切です。
お会いできて嬉しいです&またお会いしましょう
ベトナムで初対面の挨拶をする際は「Tôi rất vui được gặp bạn. (トイ ズッ ヴイ ドゥック ガップ バン)」というフレーズを使うこともできます。日本語では「お会いできて嬉しいです」という意味です。
ベトナムでは、別れ際には「Hẹn gặp lại (ヘン ガップ ライ)」と言って、「またお会いしましょう」と伝えることで、相手に良い印象を与えることができます。
分かりました&分かりません
ベトナムで相手の言っていることが理解できた時には「Tôi hiểu(トイ ヒエウ)」と言って、相手への理解を示すことが重要です。逆に相手の話が理解できなかったり、質問に答えられなかったりする場合は「Tôi không hiểu (トイ コン ヒエウ)」と言って、意思表示をしましょう。
さいごに
今回はベトナムでの出張・駐在時に役に立つフレーズを紹介しました。ベトナム語は相手の年齢や立場によって使い分けが必要です。また、地域によって発音が異なることがある点についても、留意しておくべきです。まずは基本的な日常フレーズを習得し、ベトナムでの出張・駐在に備えましょう。
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