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【最新トレンド】日本の健康食品・化粧品がベトナムで大人気?:今後のベトナム市場での販売ポテンシャル

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日本産の健康食品・化粧品が海外、特にアジアで人気であるのは良く知られている。日本の製品は品質面・安全面で高く評価されており、日本の健康食品・化粧品=高級品というブランドイメージがついている。今回は特にベトナム市場に焦点を当てて、日本の健康食品・化粧品の人気度、販売ポテンシャルについて解説していく。

中国人が日本で「爆買い」をするようになった理由

ベトナム市場について見ていく前に、お隣の中国での事情について見ていきたい。新型コロナの感染拡大以前、2019年までは中国人観光客が各地のドラッグストアで日本産の化粧品等を大量に購入、いわゆる「爆買い」している映像がメディアでも放送されていた。なぜ中国人が日本産の化粧品を購入するようになったのか。大きく2つの理由がある。

中間層の成長:高級品である日本製品を買える経済的余裕を持った消費者が増加

メイド・イン・ジャパンの化粧品は海外市場でも非常に高く植われている。例えば代表的なブランド「SK-Ⅱ(エス・ケー・ツー)」の化粧水は330mlで3万4450円。また兵庫県の健康食品メーカー、マグナス株式会社の人気シリーズ「コプリナ・朝の青汁」は30個1箱で4,547円である。

こうした化粧品・健康食品は一回限りではなく定期的に購入するものであるため、それなりの経済的余裕がなくては購入できない。中国は2000年代の目覚ましい経済成長により購買力を持った中間層が急増し、購入者が一気に増えたという背景がある。

健康・美容意識の高まり:化粧品や健康食品は将来への投資の1つ

経済的な余裕が生まれてくると、日々の生活の中で将来の健康や美容へ注意を払う人が増えてくる。また中国では「値段が高いものは良いもの」という考えを多くの消費者が持っているため、日本製品のような高級品の人気が非常に高い。また、健康や美容にお金を使うことは「将来自分が綺麗に、健康になるための投資」として考えられているため、安いものよりも高価だが品質が良いものが選ばれる傾向にある。

ベトナムは日本産の健康食品・化粧品の新たな市場になるか

上記で簡単に中国の例を見てきたが、ベトナムは新たな健康食品・化粧品の市場になるのだろうか。以下で統計データを基に詳しく見ていきたい。

ベトナムのGDPは10年以上にわたり安定的に成長:中間層の成長も著しい

ベトナムのGDPは2000年から2019年まで年平均11.8%で成長している。また新型コロナの感染拡大が広がった2020年にもプラスのGDP成長率を維持していた。これに伴って経済的余裕がある中間層、富裕層の数も増えており、こうした層が日本製品を購入するターゲット層になると考えられる。

健康食品の市場規模は5年間で1.3倍に成長

ベトナムの健康食品の市場規模は2016年から2021年までの5年間で約1.3倍の規模へと成長している。この成長はベトナムの経済がより成長していくにつれ、より勢いを増していくと予測されている。

またベトナム市場で流通している健康食品の品目数は2015年から2018年までに間に急増している。これにより、ベトナムの健康食品市場において外国製品が占めるシェアが増加している。

日本に在留しているベトナム人がインフルエンサーに

現在日本に在留している外国人の中でベトナム人材は3位の多さである。その数は42万人であり、東京都品川区の人口よりも多い数のベトナム人が日本にいる計算になる。これらのベトナム人たちが日本で健康食品・化粧品を使い、その品質の良さなどをFacebookやYouTubeなどのSNSで発信する例が多い。日本・ベトナムにいるベトナム人たちは発信された情報を見て、日本の健康食品・化粧品への認知を深めるという例が多い。

ベトナム市場で化粧品を売るための方法

以下ではベトナム市場でどのように化粧品を売っていくべきかについて、いくつかの方法を紹介していきたい。

「本物の」日本製品へのニーズの高まり

ベトナム市場では日本製品を謳った偽物の製品が多い。外装は日本製品と区別が付かないが、中身は全く違う成分のものが含まれたりしている。ベトナムではこうした商品がローカルな市場だけでなく、大規模なショッピングセンター等でも一部販売されたりしている。またオンラインのEC市場でも偽物商品の販売が横行している。

カバンやファッションなど、体の外側に身に付ける製品であれば、偽物であったとしても人体に害があるわけではない。しかし、健康食品や化粧品の中身が全く偽物であったりすると、そもそも効果が全くなかったり、有害な成分が含まれていて体に害が及んだりすることもある。そのため、特に健康食品・化粧品については「本物の」日本製品を購入したいと考えている消費者が多い。

そのため、日本企業がベトナム市場で製品を売る際には、自社の製品が本物であるという安心感を消費者に与える販売方法、さらに自社の製品が流通経路の中で偽物にすり替わったりしないような工夫が必要になるだろう。

代理店で販売:現地パートナー企業の顧客基盤・販売網を活かす

まずよく用いられる販売方法の1つが、現地企業と販売代理店契約を結び、現地企業の店舗で販売するという方法である。この際には、お互いに信頼できる関係を築けるパートナー企業を探し出すことが重要だ。この方法では、現地企業がすでに有している顧客基盤や、店舗を中心とした販売網を活かして、すぐに化粧品の販売を開始できる点である。ただし、消費者からも信頼されているパートナー企業でないと、消費者が「本物」かどうかの確信を持てず、安心して購入することができないという懸念点がある。

EC市場での販売:特に都市部の若者をターゲットとした、オンラインでの販売

もう一つの方法は、EC市場で販売を行う方法である。ベトナムではEC市場が非常に発達しており、特にLazada、SendoやShopeeといったECプラットフォームが人気を集めている。こうしたECプラットフォームの利用者は、都市部に住んでいる若者が多く、これらの層は日本産の健康食品・化粧品を最も多く購入する層とも重なる。また現地パートナーの探索や手続きといった手間が必要なく、支払うマージンも少ないというメリットがある。まベトナムのEC市場については、こちらの記事も参考にしてほしい。

自社サイトでのオンライン販売:最も消費者から信頼される販売方法

最も消費者から信頼される販売方法は、健康食品・化粧品メーカーが自社サイトで商品をオンライン販売する方法である。正規メーカーの公式サイトで直接商品を購入することができるため、消費者も安心して買うことができる。ただしこの方法の場合は、自社サイトの認知度を高めるための効果的なオンラインマーケティングを行う必要がある。

まとめ

今回の記事では、ベトナムの健康食品・化粧品市場のポテンシャルと、どのような販売方法があるかの紹介を行った。ベトナム市場は今後も継続して経済成長が続いていくことから非常のポテンシャルの高い市場であるといえる。Vietbizでは今後も市場の動きに注視していきたい。

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