ベトナム政府は、2025年末までにカーボンクレジット取引所の試験運用を開始する方針である。これは同年7月18日に開催された「Net Zero Vietnam 2025」フォーラムで、ベトナム農業・環境省気候変動局のグエン・トゥアン・クアン副局長が明らかにした。すでに財務省は国内カーボン取引市場に関する政令案を首相に提出しており、同市場では排出枠とカーボンクレジットの2種類が売買対象となる。
国際市場においても、ベトナム政府は温室効果ガス排出削減の国際的な成果交換に関する政令案を準備中であり、年内に政府へ提出予定である。これにより、ベトナム国内の法制度とインフラの整備が完了し、カーボン市場の試験運用が実現可能となる。
カーボンクレジットとは、1トンのCO₂排出を許容する取引可能な証書であり、ベトナム国内でもバイオ炭、バイオガス、廃棄物発電などの技術による排出削減プロジェクトが展開されている。世界銀行によると、ベトナムでは2003年以降、国際認証機関から2,200万件以上のカーボンクレジットが発行され、CDMを通じた認証件数も4,000万件を超える。
しかし、国際的なクレジット取引が過度に進むと、ベトナム国内で必要なクレジットが不足し、国家自主貢献(NDC)の達成が困難になるとの懸念もある。特に国内の航空・海運・製造業は、CORSIAやCBAMといった国際枠組みへの対応が迫られており、ベトナム企業は今後さらに多くのクレジットを必要とする見通しである。
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