ベトナムの建築設計事務所 VTN Architects は、世界的な建築賞「World Architecture Festival(WAF)」において、未来志向の設計を評価する WAFX賞2025 を2作品で受賞した。受賞対象は「ダナン廃棄物発電所」と「ヴィエットチー・ハウス」であり、いずれもカーボン・エネルギー・気候変動部門での高い評価によるものである。
「ダナン廃棄物発電所」は、かつて汚染の象徴であった埋立地を再生し、都市と自然、産業とコミュニティをつなぐ新しいランドマークとして設計された。プレキャストコンクリートを用いたモジュール工法や、再生資材の活用、太陽光発電・雨水再利用といった仕組みを取り入れ、建築がインフラでありながらエコパーク的機能を持つ事例として注目される。
一方「ヴィエットチー・ハウス」は、フート省の川沿いに建てられた住宅で、気候変動適応型の住居モデルを提示する。屋上緑化による断熱・都市農業、風塔による自然換気、雨水循環システム、太陽光発電などを組み合わせた設計により、省エネと自立性を両立。さらに、石材や木材など地場素材を活用し、自然との調和を重視した暮らしの場を実現している。
今回の受賞は、VTN Architectsが長年追求してきた**「ローカル性とサステナビリティの融合」**という哲学を世界に示すものとなった。加えて、同事務所はWAF2025の他部門でも6作品が最終候補に選出され、公共施設、住宅、文化施設、リゾート施設と幅広い分野で国際的な存在感を強めている。
WAFX賞は、医療、環境、テクノロジー、倫理といった地球規模の課題に挑む先進的な建築を顕彰するものであり、受賞作は11月に米国マイアミで開催されるWAF2025本大会で発表される。ベトナム建築が国際舞台で高く評価された今回の快挙は、同国がサステナブル建築の新興拠点として注目されつつあることを裏付けている。
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