ベトナム政府は2025年7月14日付で政令第205/2025/ND-CP号を公布し、支援産業(サポーティング・インダストリー)に関する政策を全面的に改定した。本政令は2015年の政令111号を基礎とし、支援品質の向上、行政手続きの透明化、デジタル化と国際連携強化を柱とする包括的な改革である。
支援産業はベトナム製造業・加工業を支える重要基盤であり、全国で約5,000社が関連事業に従事する。その9割を占める中小企業は資金・技術・人材の制約に直面しており、同政令はそれらの課題解決を狙う。
新政令では、支援産業の定義を「製造」から「原材料・部品・副資材の加工」まで拡大。さらにIT活用、スマート工場、M&A支援、法務・市場開拓なども新たに支援対象に含めた。優先分野には、自動車・電子・繊維・靴に加え、**次世代電子部品、精密機械部品、新素材(航空・再生エネルギー分野向け)**を追加し、高付加価値化を推進する。
資金支援では、展示会や技術移転、販路開拓の費用を最大70%まで補助。年利2~3%の金利優遇制度も導入され、税制・用地支援では輸入税免除、法人税減免、産業団地での優先配置が盛り込まれた。
また、FDI企業(外資)とベトナム企業の連携義務を明文化。単なる発注にとどまらず、技術移転や人材研修、サプライチェーン共有を通じて国内企業の能力向上を促す。さらに地方には産業技術支援センターを新設し、試験・認証・研究開発・人材育成の拠点とする。
工業省が政策全体を統括し、財務省・科学技術省・国家銀行と連携。企業認定制度も刷新され、**国際品質基準(EU認証など)**の明確化と審査期間の短縮(45日→15日)を実現した。
政令205号は、ベトナムの支援産業発展を「第2段階」に引き上げる転換点であり、製造サプライチェーンの中心国化を目指す国家戦略の一環である。日本企業にとっても、部品調達やスマート製造分野での連携拡大が期待される。
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