ベトナムの電力転換計画と脱炭素目標
ベトナム政府は、持続可能なエネルギー転換を目指し、石炭火力発電の段階的廃止と再生可能エネルギーの活用を推進している。計画では、国内外の資金を活用し、炭素排出削減技術の導入を進め、2050年までに炭素排出量を実質ゼロにすることを目標としている。特に、石炭火力発電所の老朽化に伴い、技術的・経済的に非効率な設備の廃止や、バイオマス・アンモニア燃料の併用による発電への移行を進める方針である。
2030年までには、炭素回収技術の試験導入や、一部の石炭火力発電所の閉鎖が予定されている。再生可能エネルギーの発電比率は29.2〜37.7%に引き上げられ、エネルギーの安定供給と環境負荷の低減を両立させる。さらに、ベトナム政府は、5年以内にニントゥアン省における原子力発電所の建設を進め、長期的なエネルギー供給の安定化を図る。
2045年までには、1,160MWのクリーンエネルギー発電を新設し、老朽化した石炭火力発電所を順次廃止する計画である。また、運転開始から20年が経過した石炭火力発電所を、バイオマス・アンモニア燃料へと移行させ、総発電量18,642MWを確保する。2050年には、炭素回収設備を導入し、完全にクリーンエネルギーへ転換する方針を掲げている。
計画の実現に向け、ベトナム政府は政策・法制度の整備、技術開発、人材育成、財政支援、国際協力を強化する。ベトナム商工省は、石炭火力発電所の燃料転換を促すための支援策を策定し、国際機関と連携して資金調達を進める。さらに、5年ごとの進捗評価を行い、電力価格の調整を含めた柔軟な対応を取る予定である。
また、ベトナム電力公社(EVN)、ベトナム石油公社(PVN)、ベトナム石炭鉱産公社(TKV)などの主要企業は、燃料転換計画を策定し、経済的持続性を確保しながら発電所の運用を最適化する。加えて、石炭火力からクリーンエネルギーへ移行する際の電力供給の安定性を確保するため、電力網の調整や新技術の導入も検討されている。
このように、ベトナム政府は石炭依存の電力供給から再生可能エネルギー中心の持続可能なエネルギー政策へと大きく舵を切り、2050年には完全な脱炭素化を目指している。


