海外での労働機会を拡げていくベトナム
毎年、ベトナム-シンガポールイノベーション人材交流プログラムでは、ベトナムから300名の候補者を採用している。職種は、イノベーションに関連する15分野で、プログラムでは最大2年間の労働許可証が発行される。候補者は、グリーン経済、農業技術、金融サービスの他、様々な分野で働くことが可能である。
ベトナムの候補者は、ハノイ工科大学、ハノイ国立大学、ホーチミン市国立大学、ダナン大学、ズイタン大学の5つの大学の卒業生に限定されている。
海外労働管理局によれば、このプログラムの目標は、ベトナムの労働者にシンガポールのイノベーション関連企業での短期労働の機会を提供することである。応募者の採用は、ベトナム労働傷病兵社会省、計画投資省、シンガポールの人材開発省、商工省の間で取り交わされたベトナム-シンガポールイノベーション人材交流プログラムに関する覚書に基づいて行われる。労働傷病兵社会省の統計によると、2023年には159,986人のベトナム労働者が海外で働いており、その内1,355人がシンガポールで働いた。
海外労働管理局によれば、現在ベトナムの労働者は製造業、建設業、農業、漁業、サービス業(高齢者ケア、病人ケア、家事補助)など、様々な分野で海外で働いている。多くの職場では、労働条件や生活条件は比較的良好で、福利厚生も整っている。
最近、日本は多くの分野でベトナム人労働者を受け入れている。2024年6月には、日本とベトナムの間で、ベトナムの看護実習生の受入れ人数を増加させることで合意した。5年間で500人の受け入れが予定されている。新しい合意では、対象となるベトナム人の拡大や受入れ条件の緩和がなされ、日本の大病院での受入れ拡大を目指している。 日本の医療機関は、VJEPA(Vietnam and Japan for an Economic Partnership)プログラムに基づいてベトナムからの看護師や介護士をさらに受入れたいと考えているが応募者数はまだ不足している。