はじめに
今回はベトナム南部における食品卸売会社(仮名:Diamond社)の投資案件を紹介する。同社は新たな成長戦略を策定しており、新規事業の開発を目指しているため、国内外の投資家から資金調達を行っている。本レポートをご覧いただいてから、Diamond社への投資をご検討される場合、ぜひ弊社までお問い合わせいただけると幸いである。
売却企業の紹介
Diamond社は2008年に設立した。日本、ヨロッパー、北米から食品を輸入し、国内で高級なホテル、リゾート、レストラン(HORECA)、スーパーマーケット、食品加工企業等に卸売を行っている。同社はコロナ渦において寿司のデリバリーを新規事業として展開し、売上高の成長を維持している。5ヵ年経営計画で寿司のチェーン店の拡大とフランチャイズを実施することで、売上高の7倍増加の目標を設定した。
Diamond社への出資案件の概要
設立 | 2008年 |
事業内容 | 食品輸入及び卸売 |
本社所在地 | ベトナムの南部 |
国内支社 | 4拠点 |
海外支社 | 4拠点 |
従業員数 | 100~200人 |
売上高 | 5~6億円(2019) |
譲渡比率 | 49%以下 |
譲渡価格 | 4百万ドル ~ |
株主構成 | CEO:90%、他の2名:8%と2% |
主要な顧客
Diamond社は全国で物流ネットワークを構築し、6,500以上の顧客へ食品卸売の実績がある。顧客の内訳は以下の通りである。
・飲食店運営:約1,650社
・ホテル :約2,800か所
・スーパーマーケット:約450店舗
・食品加工企業やリテール業者:約1,700社
倉庫及び運搬車
全国においてそれぞれの5拠点で倉庫を保有し、最大350トンまで積載可能である。なお、それぞれの倉庫で冷凍保管庫、冷蔵保管庫、常温保管庫を充実され、多種多様な食品に適切な温度管理や品質保証を徹底している。2021年に南部の倉庫の改装に投資を行い、3~4台のコンテナまで収納を拡大された。5拠点で冷蔵車を保有し、全国の顧客へ迅速に配送に対応できる。
Diamond社のアピールポイント
Diamond社のアピールポイントとして2点を挙げられている。
多数顧客
健全な物流システムを持ち、全国で6,500以上の顧客へ卸売を行っている。顧客の特長として、高級なホテルとリゾート、又は大規模のスーパーマーケットがある。大手顧客が多いため安定でかつ大量の発注があり、Diamond社の安定した成長基盤となっている。
有望な成長性
Diamond社は2023年~2027年の5ヵ年経営計画を策定している。その中では2023年の売上高は11億円、2027年の売上高は35億円を想定しており、2022年の売上高より7倍の増加を見込んでいる。売上高の成長の3つの要因は①顧客の拡大、②寿司のデリバリー、③寿司チェーン店・フランチャイズの展開を主要な成長軸として設定している。
投資家への期待
Diamond社が自社への出資を呼び掛ける理由は、全国でB2Cの寿司のデリバリー、寿司のチェーン店の拡大、寿司のフランチャイズの展開をするための資金調達である。また、新型コロナウイルス感染症の影響を背景とした顧客からの支払遅延が発生しているため、運転資金を確保したいという目的もある。
期待されるシナジー
Diamond社への出資により期待されるシナジーは、同社の多数顧客を通じるベトナムへ物流網の拡大、又は、将来性のある事業への出資によるキャピタルゲインである。
ベトナムF&B市場のポテンシャル
2021年のベトナムの食品及び飲料(F&B)の小売総額は549億ドルであり、同国のGDPの約16%に寄与している。2023年にF&Bの小売総額は663億ドルに増加すると想定されている。ベトナムにおける家庭は2025年に家計総額の20.8%を食費に費やすと見込む。ベトナムの中間層は世界で7番目に急増加し、2030年に2,320万人に達し、総人口の22%を占める。食文化として、仕事の終了又は休日に友達や家族と外で食事をしている。これはF&Bの成長の要因を見られている。

お問い合わせ
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