はじめに
ベトナム中南部における木製製品の製造及び輸出をしている企業(仮名:BAAP社)への投資案件を紹介する。同社はアカシアの価値を最大化するビジョンを持っており、アカシアから木質ペレット、木質チップ、木製家具などの製品の製造と販売をしている。同社は、木質ペレットを日本に輸出している。BAAP社は、工場の生産能力を拡大し、輸出を増やすために、木製製品の製造と販売に豊富な経験と強力な資金力を持つ投資家を探している。本レポートをご覧いただいてから、BAAP社への投資をご検討される場合、ぜひ弊社までお問い合わせいただけると幸いである。
売却企業の紹介
BAAP社は2017年に設立された。同社はアカシアを原料とした木製製品の生産と販売を主要事業としている。輸出市場は日本とヨーロッパを中心に展開されている。アカシアの原料の大部分は木材加工企業から調達され、同省内の工場に運送され、木質ペレット、木質チップと木製家具の製造に使用されます。
国内におけるクライアントは、燃料会社や商社などが含まれる。商社は、木質ペレットや木質チップの輸出入会社である。また、木製家具はドイツ、フランス、ベルギー、スペイン、オランダー、ポーランドなどのヨーロッパ諸国に輸出されており、木質ペレットは2022年から日本に輸出されている。
社名 | BAAP 有限責任会社 |
設立 | 2017 |
事業内容 | 木質ペレット、木質チップ、木製家具の製造と販売 |
本社所在地 | ベトナムの中南部 |
工場所在地 | 同省 |
売上高 | 308 billion VND (約170億円)(2022) |
従業員数 | 200~300 |
株主構成 | 6名 |
譲渡比率 | 40%(応相談) |
調達資金 | 応相談 |
譲渡形式 | ①資本譲渡、又は②エクスロー、又は③一部前払い |
生産工場
BAAP社の工場は同省に位置している。工場の総面積は6 haであるが、その内で4 haは拡大された面積である。木質ペレットの生産設備はヨーロッパ製のものであるため、厳格な規格に準拠する。
◎木質ペレットの生産能力
・設計生産能力:月間10,000 トン(木質ペレット)
・実際生産能力:月間4,000トン(木質ペレット)
◎設備の生産能力
・乾燥機:10トン/h/台
・造粒機:5トン/h/台
設備投資で実際生産能力を月間10,000トンまで拡大を計画される。
FSC認証
BAAP社は木質ペレットの輸出に向け、2019年にFSC認証を取得し、2024年まで有効している。
輸送の港
BAAP社の工場は港に近く、木質ペレットの輸出に便利である。通常木質ペレットは2ヵ所の港から発送される。
・同省のA港:工場から港まで15 km
・隣省のB港:工場から港まで20 km
売却案件のアピールポイント
BAAP社の競争優位性を考慮し、以下のように同社の強みを紹介する。
FSC保有の調達先
木質ペレットと木質チップの原料は全てアカシアから作られ、同省や隣省の木材加工企業から調達される。調達先を厳選し、全てはFSC認証を取得している。人工林から調達するが、割合は少くない。これは、FSC認証を取得している調達先に限定されるためである。調達先から工場までの距離は40~50km程度であり、運送費の削減に貢献している。
日本へ輸出実績
BAAP社は日系商社と製造業へ輸出実績がある。
・2022年に日系商社へ10,000トンの木質ペレットの輸出
・日系製造企業と10年長期契約の締結で2024年から年間50,000トンの木質ペレットの輸出
投資家への期待
BAAP社は潜在的な投資家から資金調達と戦略的パートナーシップの構築を期待している。調達資金は、年間120,000トンの設計生産能力を達成するため、工場の生産能力の拡大に使用される。戦略的パートナーシップは、安定でかつ長期的な注文量を確保する投資家を探している。
木質ペレットの事業のみへの投資について、ご相談は可能であるが、原料調達と生産活動において決定権を同社に保留する意向がある。
シナジー効果
BAAP社へ投資から期待されるシナジー効果は、海外で燃料として安価な木質ペレットの調達、安定なサプライチェーンの構築及び投資によるキャピタルゲインなどが挙げられる。
ベトナムにおける木質ペレット市場の発展
2021年、ベトナムは412.98百万ドル以上の価値で3.5百万トンの木質ペレットを輸出した。前年比輸出量は9.2%、輸出額は17.3%増加した。木質ペレットは、ベトナムの木材産業の輸出総額の約3%を占める。COP26で参加国が温室効果ガスの排出削減に取り組むことを約束したため、再生可能エネルギーとしての木質ペレットへの需要が急増し、ベトナムはアメリカに次いで世界第2位の木質ペレット輸出国となる。

木質ペレットの主要な輸出先国として、日本と韓国が挙げられる。2021年にベトナムは韓国に対し196万トンの木質ペレットを輸出し、これは212.04百万ドルに相当する。前年と比べ、輸出量は0.9%減少したが、輸出額は9.6%増加した。韓国市場は、輸出総量の56%および輸出総額の51.3%を占める。
また、2021年に日本に対し153万トンを輸出し、これは200.11百万ドルに相当する。前年に比べ、輸出量は26.1%、輸出額は27%増加した。日本市場における販売単価は1トンにあたり140ドルから145ドルである。日本市場は、輸出総量の43.8%および輸出総額の48.5%を占める。
ウクライナとロシアの紛争によるエネルギー制限およびオイル価格の高騰の影響により、ヨーロッパではヒーターの燃料としての木質ペレットの需要が急増してきた。今後5年間で、ヨーロッパの木質ペレットの需要は30%から40%まで増加し、約1,000万トンを輸入することが予測され、潜在的な輸出市場が見込まれる。
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