インサイト・アジア (Insight Asia) が2025年9月に発表した報告によると、ベトナムの消費財(FMCG)市場は、2023~2024年の低迷期を経て明確な回復局面に入り、小売市場規模は3097億 ドル(約46兆4550億円)に達した。現代的な流通チャネルが売上全体の27%を占め、週1回以上スーパーマーケットや小売店で購買する消費者が62%に上るなど、購買行動の近代化が進展している。
こうした動きを受け、マサン・コンシューマー (ベトナムで大手小売・FMCG企業、Masan Consumer, MCH) は、全国規模で「直接販売モデル(Direct Distribution)」を展開。販売データとサプライチェーンの統合管理により、効率的な流通体制を構築している。2025年第3四半期の売上高は7兆5千億ドン(約442億2千万円)で前年同期比5.9%減となったものの、減少幅は大幅に縮小。現代小売チャネルは12.5%増、輸出は14.8%増と回復傾向が鮮明である。
マサン・コンシューマーは第4四半期以降のプラス成長を見込み、WinCommerceとの連携によるスマートリテール・エコシステムの拡充、高付加価値FMCG商品の拡販、そしてホーチミン証券取引所(HOSE)上場を視野に入れ、統合型消費財・小売大手への進化を目指している。

出所:Cafef
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