2025年6月11日、フランス・パリにて開催されたベトナムとフランスの二国間活動の一環で、ファム・ミン・チン首相はフランスおよび欧州の主要企業幹部と会談を行った。その中で、フランスの国営エネルギー大手EDF(Électricité de France)は、ベトナムの原子力発電プロジェクトへの参画を提案した。
EDFは、フランス政府が主要株主の多国籍エネルギー企業であり、世界最大級の原子力発電運営者であるとともに、欧州の再生可能エネルギー分野でもリーダー的地位を占めている。2000年からベトナムでの事業を展開しており、2005年には同国初期のBOT方式発電所である「フーミー2火力発電所(715MW)」を完成させた。さらに2018年末には、日本の双日、九州電力、ベトナムのタイビン・グループと共に「ソンミー1ガス火力発電所(2,250MW)」に参画。EDFは同プロジェクトにおいて、当初のフランス企業Engieに代わって出資している。
今回の会談では、EDFのベルナール・フォンタナ会長兼CEOが、ベトナム政府に対し原子力発電、再生可能エネルギー、通信、AIなど複数分野での協力を提案。これに対し首相は、Petrovietnam(ベトナム石油公社)やViettel(国防系通信企業)などと連携しながら、幅広い協力を推進するよう促した。特に原子力発電については、技術、資金調達、人材育成といった観点から、商工省および関係機関との詳細協議が求められている。
EDF側はベトナム政府の方針に賛同し、同国のエネルギー技術と人材基盤の強化に貢献する意向を明確に示した。これにより、ベトナムの電力多様化および脱炭素化の流れの中で、原子力が再び議論の俎上に上る可能性が高まっている。

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