ベトナム市場調査レポート販売
ベトナム半導体人材獲得の現状課題のレポートを販売しています。

レポート基本情報
– ページ数(企業紹介ページを除く)25 ページ
– 発行年月日:2025年4月
– 発行:ONE-VALUE株式会社
– ファイル形式:PDF形式
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– 購入方法:
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はじめに
世界の半導体市場は2025年までに7,210億ドル規模に達する見込みで、通信・自動車・電子産業の需要拡大が牽引している。この急成長に伴い、日本では熊本県のTSMC進出を筆頭に製造拠点の新設ラッシュが続く一方、少子高齢化による理系人材不足が深刻化している。こうした状況下で、ベトナムが日本企業にとって新たな人材供給源として注目を集めている。本報告では、ベトナム半導体産業の現状分析を通じ、日越協力の可能性と課題を多角的に検証する。
2. グローバル半導体市場の構造変化と日本的課題
本章はグローバル半導体市場の構造変化と日本的課題 について解説する。
地政学リスク下のサプライチェーン再編
2024年時点で台湾が世界の先端半導体生産の60%を占める一方、米中対立の影響で各国が自国調達体制の強化に動いている。日本では2024年度に13.1兆円規模の半導体関連予算を計上し、熊本・北海道・東北地方を中心に20ヶ所以上の新設工場が稼働開始した。しかし生産技術者の求人倍率は4.5倍に達し、特に特定技能2号レベルの中度人材が深刻な供給不足に陥っている。
日本的雇用システムの限界
伝統的な終身雇用制度が半導体分野の急速な技術進化に対応できず、中途採用市場の未成熟が人材流動性を阻害している。特に若手人材の育成が急務となっている。この課題に対し、経済産業省は2025年度から「半導体人材グローバルリクルートプログラム」を開始し、ベトナム・インドとの連携を強化している。
ベトナム半導体エコシステムの勃興
本章はベトナム半導体エコシステムの勃興 について解説する。
政府主導の産業育成戦略
ベトナム政府は2030年までに半導体分野で5万人のエンジニア育成を目標に、国家イノベーションセンター(NIC)に24兆VND(約10億USD)を投資した。ハノイ・ダナン・ホーチミンには3つのハイテクパークが設置され、政府は半導体分野のプロジェクトと半導体産業の人材育成を含む投資支援基金の設立、管理及び使用に関する規定を定めた182/2024/NĐ-CP号法令を公布した。
多国籍企業の戦略的立地進出
インテルはホーチミン市に世界最大のチップ包装工場を展開し、2023年にはアンコールがバクニン省に16億ドルをかけて世界最大規模の半導体工場を新設した。サムスン電子はハノイ研究開発センターで5G対応RFチップの設計を強化している。これら外資系企業の生産拠点集積が、地場企業の技術向上を促進している。
ベトナム人材の競争力分析
本章はベトナム人材の競争力分析 について解説する。
コスト競争力と知的潜在力
2023年の製造業平均月給は273USDと中国の1/2以下ながら、Worldwide IQ Testではベトナム人の平均点は108.81点で東南アジア最高値を記録している。
日本語教育のインフラ整備
JLPT N1合格者数は2023年12月時点で3,186名と東南アジア首位を維持し、FPTは、日本企業との協力を通じて、実務に即した人材を輩出しており、特に日本の半導体業界との関係強化に注力している。
ベトナムの半導体産業の人材育成における課題
ベトナム半導体産業は急速に発展しているが、いくつかの課題も抱えている。
- 教育の質の不足:最新技術に対応した専門的な教育プログラムが不足しており、特に超小型チップ設計やナノテクノロジー、AIの応用などに関する教育が遅れている。
- 実験設備と施設の不足:半導体に関する実験設備や研究施設が不足しており、学生が実践的な教育を受ける環境が整っていない。
- 実務経験とのギャップ:学生は基礎的な知識は持っていますが、実務経験が不足しており、企業で働くには追加の教育が必要である。
日本とベトナムの連携の可能性
日本は半導体産業において高度な技術と経験を有しており、ベトナムとの連携によって双方にメリットが生まれる可能性がある。
- 人材育成:日本の大学や企業がベトナムの大学と協力し、専門的な教育プログラムを開発することで、ベトナムの人材育成を支援できる。
- 技術支援:日本が半導体研究設備やソフトウェアを提供することで、ベトナム国内における半導体教育施設を強化できる。
- インターンシップ:日本企業やベトナムの企業でインターンシッププログラムを実施し、学生に実務経験を提供する。
- 人材交流:技術者の交換プログラムを通じて、実務スキルの向上を図る。
おわりに
ベトナム半導体産業は、政府の支援と企業の投資により、今後ますます発展していくことが予想される。しかし、人材育成における課題を解決し、国際競争力を高めるためには、日本をはじめとする外国との連携が不可欠である。日本は、ベトナムへの技術支援と人材育成協力を通じて、ベトナム半導体産業の発展に貢献するとともに、自国の半導体産業の強化にもつなげることが可能である。