世界で開発中止された石炭火力発電の約半分はベトナムが占める

ベトナムは2023年の1月から5月にかけて、合計9.6GWの石炭火力発電プロジェクトを中止した。これは今年世界各国で中止された石炭火力発電プロジェクトの総電源容量としては最大規模である。(Global Energy Monitorによる調査)
2023年の第1四半期に中国を除く世界各国で、許可が取り消された或いは中止が決定された石炭火力発電プロジェクトの電源容量は約20-25GWに達すると推定される。
ベトナムで中止したプロジェクトは世界全体の約半分を占め、他のどの国よりも大きな割合となっている。(Global Energy Monitoによる調査)

ベトナムの第8次国家電力開発計画(PDP8)では、2030年までに国内エネルギー生産における石炭火力発電の比率を現在の約33%から20%に削減する計画である。2023年5月時点でのベトナムの石炭火力発電容量は25.9GWだが、今後10年間で最大30,127MWに達すると予想されている。その後は、2050年までに石炭火力発電の完全廃止を実現するという目標に向けて、電源容量を段階的に減らす計画だ。
PDP8は再生可能エネルギーの開発を最優先している
ベトナムの石炭火力発電プロジェクトの中止と再生可能エネルギー開発の進行は、気候変動対策の観点から見て非常に重要であると考えられる。石炭火力発電は、地球温暖化の主要な原因である二酸化炭素を大量に排出する。一方で再生可能エネルギーは、環境への負荷が少なく、持続可能な社会を実現するための重要な要素である。ベトナムがこれらの政策を継続することで、地球温暖化対策に大きく貢献することが期待される。