ベトナムにおける農業の現況
ベトナムは温暖な気候と豊かな土壌に恵まれており、農業が盛んな国である。2019年時点で、農林水産業はGDPの約14%を占め、特にコメ、コーヒー豆、ゴム、カシューナッツは、世界トップレベルの輸出量を誇る。
2021年の輸出額は、コメ:3位、コーヒー豆:2位、天然ゴム(生産額):3位、カシューナッツ:1位となっている。一方、保存・加工等の技術が乏しく、農産品の多くが付加価値の低い1次産品のまま、消費・輸出されている。
また、生産・輸出が急増している果物においても、相手国内産業や生態系保護等の観点から、輸出可能品目には制限がある。取引が限定的なため、ベトナム国内での生産能力が必ずしも輸出額に直結しない。
このような状況において、ベトナム政府は近年農業政策に注力している。農産品への付加価値向上を目指し、高品質品種の生産を拡大し、農産品のブランド化を進めている。さらに政令第57/2018/ND-CP号において、農業に投資する企業への優遇政策を進めており、保存・加工等の分野においても、今後の発展が期待されている。
2023年の農産品輸出入状況
2023年11月末時点で、農産品の輸出額は約243億ドルに達し、前年比で約17%増を記録した。2023年には、国際市場の変動等の様々な要因により、輸出入額は1位:コメ、2位:野菜となった。コメは、急速な生産拡大により、輸出量770万トン超(前年比約16%増)、輸出額44億ドル以上(約36%増)となった。野菜の輸出額は53億ドルに達し、前年比で約75%増加した。
ベトナム政府の農業政策
コメに関しては、生育期間の短い高品質種を中心とした生産構造転換に取り組んでいる。果物・野菜に関しては、主力の果樹作物生産に焦点をおいている。栄養・品質確保、機械化、保存・加工に関する様々な技術を導入し、生産を集中的かつ統一的に組織することで、生産効率を向上させ、輸出価値向上を目指している。
ベトナム農業の展望
世界銀行は、コメ価格は2025年まで高値を維持すると予測しており、コメの生産・輸出の多いベトナムにとっては追い風である。コメ価格が高いことで、農業部門への投資進展が見込まれる。さらに、投資家は高リターンを期待できるため、生産性向上や技術革新へと資金が流入していく。これにより農業セクター全体の競争力が高まり、国内の農業が持続的に発展していくことが期待されている。

出所:現地メディア CafeF
