ベトナムの再生可能エネルギー輸出新たな幕開け

ベトナムから電力輸入を承認

2023年10月24日、シンガポール・エネルギー市場庁（EMA）は、Sembcorp Industries Ltdの子会社であるSembcorp Utilities Pte Ltd（SCU）に対し、ベトナムからの1.2GWに及ぶ再生可能エネルギー電力の条件付き輸入を承認したと発表した。この動きは、シンガポールとベトナムのエネルギー協力関係において、歴史的な進展であると言えるだろう。

今年2月のファム・ミン・チンベトナム首相のシンガポール訪問の際、両国は洋上再生可能エネルギーからの電力輸出に関する重要な投資協力協定に署名していた。Sembcorp Utilitiesによると、ペトロベトナム技術サービス会社（PTSC）との協力のもと、洋上風力発電所や他の再生可能エネルギーからの電力が供給される予定だ。

特に注目すべきは、ベトナムからシンガポールへの新しい海底ケーブルを通じた電力の輸送である。この海底ケーブルの総延長は約1,000kmにおよび、二国間のエネルギー連携の象徴となる。

SCUはEMAからの条件付き承認を受け、関連する風力発電プロジェクトが2033年以降に運用開始される見込みであることを確認した。SCUはPTSCと緊密に協力し、プロジェクト開発の全工程を完了させることで、ベトナムからの電力輸出許可の取得を含め、プロジェクトの順調な進行を目指している。

ベトナムからの再生可能エネルギー輸出は、国が生産するエネルギーをより効率的に活用し、新たな収益源を創出する機会となる。これはベトナムにとって、エネルギー輸出の第一歩であり、エネルギーセクターへの投資をさらに促進する要因となる。