建設業界におけるグリーン・ビルディングのトレンド
ベトナム建設省(MOC)は、グリーン・ビルディング、省エネルギー及び建設業のカーボンニュートラルに関する80以上の基準を2030年までに策定する計画である。政府方針に沿って、建設省は建設分野の基準と規格を国際標準に合わせ、ベトナムの実情に合致する形で積極的に進めている。
ベトナムのグリーン・ビルディングの評価基準として、NGOである「ベトナム・グリーン・ビルディング協会(VGBC)」が実施するLOTUS認証制度が挙げられる。この認証制度は、世界標準の「LEED」という認証制度を基に、欧州の「GRESB」による「グリーン・スター」や英国の「BREEAM」などの要素を組み込み、VGBCが独自に作り上げたものである。
2023年第2四半期末までに、ベトナムではグリーンでエネルギー効率が高いと認定されたプロジェクトが296件あり、総床面積は719万平方メートルを超えている。政策や制度が投資家や設計者だけでなく消費者にも徐々に認知されている。(IFC調べ)
建設におけるカーボンニュートラルの評価は、材料の生産から建設、運用、解体の全ライフサイクルを通じて行われている。評価方法の一例として、欧州の規格であるEN 15978が採用されている。おり、この方法では、プロジェクトの運用段階でのエネルギー消費(空調、照明、給湯・水道など)や建材の炭素含有量が重視される。
ベトナムの建設業界では、カーボンニュートラルを実現するために業者や顧客の認識の向上が求められている。さらに、カーボンクレジット制度やCO2クレジット市場を活用した投資促進も必要である。
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