気候変動が深刻化する中で、農業分野の温室効果ガス排出削減は、ベトナムにとって喫緊の課題となっている。農業は同国の総排出量で大きな割合を占めており、主な排出源は水田耕作、畜産業、化学肥料の使用に集中している。
農業環境研究所は、国際基準に準拠したMRV(測定・報告・検証)技術の導入と、循環型経済モデルの適用が重要だと指摘する。特に「CARICE(Circular in Rice Production)」モデルでは、稲わらを堆肥、バイオ炭、キノコ栽培資材などに再利用することで排出量を最大40%削減でき、同時に土壌肥沃度の向上も実現する。
低炭素農業の発展は、ベトナムが掲げるネットゼロ2050の実現を後押しするだけでなく、EU、日本、米国といった高基準市場における農産物の価値と信頼性を高めるものとなる。グリーン経済への移行が進む現在、低炭素農業はベトナムが世界の持続可能な農業の枠組みの中で地位を確立するために不可欠な道筋である。
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