キャッシュレス決済やスマート投資といったデジタル金融の潮流が、ベトナム人の消費習慣、資金管理、ビジネスのあり方を変え、透明で持続可能なデジタル経済を後押ししている。
キャッシュレス決済は特に買い物時のQRコード決済を中心に定着している。ベトナム国家銀行によれば、デジタル取引は都市部から農村部まで急成長している。小規模商店にとっても、テクノロジーは資金の流れを透明化し、リアルタイムでの売上管理や新規顧客獲得を可能にする。さらにキャッシュバックや無料取引プログラムが、現金からデジタル決済への移行を加速させている。
ベトナム国家決済株式会社(NAPAS)のグエン・フン・グエン副総裁によると、ベトナム人の取引行動はタイやインドに近づいているという。ベトナム国家銀行の統計によれば、2025年第1四半期において、ベトナム国民は55億件のキャッシュレス取引を実施し、そのうち45億件がデジタルチャネル上で行われ、取引額は40千兆ドン(229兆円、1.52兆ドル)に達した。
さらにグエン氏によれば、電子商取引は近年のデジタル経済の急成長において60%以上を占める主要な要因となっている。2024年における公共サービスプラットフォームでの決済総額は約360億米ドルに達し、2025年には570億米ドルに増加すると予測されている。電子商取引分野においては、2024年の取引規模が220億米ドルに達し、そのうち約90%がQRコード決済や電子ウォレットなどの電子決済手段を通じて行われた。

出所:vneconomy.vn
同時に、スマート投資ソリューションは誰もが金融にアクセスできる機会を広げている。利用者は少額資金から始め、貯蓄、金購入、投資信託、株式まで一つのアプリで参加できる。AIやビッグデータは消費行動を分析し、投資ポートフォリオを提案し、市場データを提供することでリスクを抑制し、持続可能な投資を促している。
これらの潮流は消費支援にとどまらず、長期的な経済発展にも寄与している。デジタル決済は社会的コストを削減し透明性を高め、スマート投資は資金の循環を効率化する。
国内の金融プラットフォーム、トピ(TOPI)、キエンロン銀行(KienlongBank)、ベトテルマネー(Viettel Money) などはサービス拡大を強化し、デジタルバンキングや少額投資を地方の隅々まで届けている。これにより、デジタル金融はベトナム人の日常に不可欠な存在となり、より透明で便利な未来を形作りつつある。
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