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経済動向ベトナム経済

2025年第1四半期のASEAN6ヶ国のGDP成長率概要:タイが最下位、ベトナムが第1位

2025年第1四半期のASEAN6ヶ国のGDP成長率概要:タイが最下位、ベトナムが第1位

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はじめに 

2025年第1四半期、ASEAN主要6カ国(以下、ASEAN-6)──インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、ベトナム、フィリピン──が発表した最新のGDP成長率が出揃った。今回の統計は、地域経済のダイナミズムと不均衡、またポスト・パンデミック時代の経済構造変化を明確に示すものであり、外国人投資家にとって各国の経済体力を見極める重要な材料となる。 

リンク:250520_2025年5月17日付の決議198-2025-QH15に基づき、国会は中小企業の法人所得税を正式に設立日から3年間免除する.pptx 

ベトナム:ASEAN-6中、最も高い成長率を記録 

2025年第1四半期におけるベトナムのGDP成長率は前年同期比6.93%増。2020年以降の同時期において、最も高い成長率を記録した。これは政府が掲げた四半期目標(政府決議01/NQ-CP)を上回る結果であり、年初に設定された高成長目標(決議25/NQ-CP)にはやや届かなかったものの、極めて力強い内容。 

セクター別では、農林水産業が3.74%成長し、全体の成長に6.09%寄与。工業・建設分野が7.42%増、サービス分野が7.70%増と、特にサービス部門の寄与率(53.74%)が際立つ。 

アジア開発銀行(ADB)の最新レポートによれば、ベトナムは2025年通年で6.6%、2026年には6.5%の成長が予測されており、2024年に記録した7.1%成長からは若干の減速を見込むものの、依然として東南アジア内で高い成長ポテンシャルを誇る。観光とIT産業の拡大が引き続き主要な成長ドライバー。具体的には、サービス部門は、国内外の観光業やテクノロジー産業の増加により、2025年には7.2%成長すると予測されている。 

フィリピン:堅調な内需で5.4%成長 

フィリピンの2025年第1四半期GDP成長率は5.4%。2024年第4四半期の5.3%からわずかに上昇。米国の対フィリピン輸出に対する関税強化といった逆風の中でも、政府支出の急増(+18.7%)および家計消費の増加(+5.3%)が成長を下支え。 

インフレの鈍化が家計の購買力を押し上げた一方で、政府は景気刺激の一環として公共インフラや社会保障支出を積極化。今後は、外部環境の不確実性と財政制約とのバランスをどう取るかが課題。 

  1. インドネシア:4.87%の成長、3年ぶりの最低水準 

インドネシアの第1四半期GDP成長率は4.87%。過去3年間で最も低い成長となり、前年同期(5.11%)からの減速が顕著。これは2024年2月に実施された世界最大規模の選挙により、前年同期の政府支出が一時的に増加した反動とされる。 

成長構成要素としては、家計消費(+2.61%)が最大の寄与を示す一方で、政府支出は0.08%のマイナス成長を記録。固定資本形成(+0.65%)、純輸出(+0.83%)などの貢献度は限定的。 

経済調整相エアランガ・ハルタルト氏によると、ASEAN域内ではベトナム、フィリピンに次ぐ第3位。今後は公共支出の効率化と民間投資の回復がカギを握る。 

マレーシア:輸出と民間消費で4.4%成長 

マレーシアのGDPは4.4%成長し、2024年第4四半期(4.9%)からやや減速。家計消費は堅調であり、雇用市場の回復と投資の安定化が背景。輸出も引き続き増加傾向にあり、特に電気・電子製品が牽引役。 

ただし、原油・ガスの生産減少、自動車関連産業の鈍化などが成長を抑制。中央銀行のアブドル・ラシード総裁は、今後の成長率がやや下振れする可能性に言及。2025年通年の成長率予測は4.5〜5.5%の下限近辺に収まる見通し。 

シンガポール:輸出減退と対米関税で減速、3.8%成長 

シンガポールの2025年第1四半期GDP成長率は3.8%。前四半期(5.0%)から減速し、貿易依存型経済の脆弱性が露呈。特に、米国による関税措置の影響が大きく、政府は年間成長率予測を0〜2%へ下方修正。 

製造業、卸売業、運輸業などがグローバル需要の減退により伸び悩む。加えて、金融・保険分野においてもリスク回避姿勢が強まり、証券取引・為替市場・投資信託業務などに陰り。 

経済の先行き不透明感が企業投資意欲を抑制し、IT関連のスタートアップや決済企業にもブレーキがかかる可能性。 

タイ:ASEAN-6中最下位、成長率3.1% 

タイのGDP成長率は3.1%にとどまり、ASEAN-6の中で最下位。2025年通年の成長見通しも、1.3〜2.3%へと下方修正されており、経済成長の鈍化が鮮明。 

主要因としては、輸出と観光収入の伸び悩み、内需の力強さ不足などが挙げられる。構造的な高齢化、政治的不安定、所得格差などの課題も経済活力の足かせとなっている。 

政府は公共投資による景気刺激策を検討中だが、短期的な効果には限界があるとの見方が強い。 

投資家への示唆:ベトナムとフィリピンに注目 

今回のデータから明確に読み取れるのは、ベトナムがASEAN-6の中で最も高い成長力を維持しているという事実である。特に、サービス産業や工業生産の拡大は構造的な力強さを示しており、インフラ・製造業・観光業・IT関連分野などにおいて投資余地は依然として大きい。 

また、フィリピンも内需の強さを背景に回復基調を維持しており、中長期的な投資先として再評価する価値がある。一方、インドネシアとマレーシアは政治イベントや一次産品依存により変動が激しく、シンガポールとタイは外需依存型モデルの限界が露呈しつつある。 

地政学的リスクや世界的な金利動向を踏まえつつ、高成長かつ構造的優位性のある国・分野への選別投資が求められる。 

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