はじめに
2025年第1四半期、ASEAN主要6カ国(以下、ASEAN-6)──インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、ベトナム、フィリピン──が発表した最新のGDP成長率が出揃った。今回の統計は、地域経済のダイナミズムと不均衡、またポスト・パンデミック時代の経済構造変化を明確に示すものであり、外国人投資家にとって各国の経済体力を見極める重要な材料となる。

ベトナム:ASEAN-6中、最も高い成長率を記録
2025年第1四半期におけるベトナムのGDP成長率は前年同期比6.93%増。2020年以降の同時期において、最も高い成長率を記録した。これは政府が掲げた四半期目標(政府決議01/NQ-CP)を上回る結果であり、年初に設定された高成長目標(決議25/NQ-CP)にはやや届かなかったものの、極めて力強い内容。
セクター別では、農林水産業が3.74%成長し、全体の成長に6.09%寄与。工業・建設分野が7.42%増、サービス分野が7.70%増と、特にサービス部門の寄与率(53.74%)が際立つ。
アジア開発銀行(ADB)の最新レポートによれば、ベトナムは2025年
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