ベトナム政府が進める電力自由化と再エネ直接取引制度
ベトナム政府は、再生可能エネルギーの推進と電力市場の自由化を目的として、電力の直接売買(DPPA:Direct Power Purchase Agreement)制度を導入した。この制度は、再生可能エネルギーを発電するベトナム企業と、大規模に電力を使用するベトナム企業を対象としており、電力の売買方法として「国家送電網を通じた直接売買」と「専用送電網を通じた直接売買」の2つの形態がある。
国家送電網を活用する方式では、10MW以上の規模を持つ風力、太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギー発電事業者がベトナム国内の競争型卸売市場に参加できる。一方、大規模な電力利用を行うベトナム企業は、22kV以上の電圧で送電される電力を、電力会社や小売業者から購入することができる。これらの取引には、電力法や安全基準、環境保護、土地利用、建設、火災・爆発対策など、ベトナム政府が定めた関連法令の遵守が求められる。
専用送電網を通じた方式では、発電事業者と電力使用者が相互に契約を結び、電力の売買を行う。契約内容には、基本情報、使用目的、サービス品質、権利と義務、電気料金、支払い方法、契約期間、契約解除条件、違反時の責任、送電網の運営・管理などが含まれる。価格については、双方の協議によって自由に設定できるが、ベトナム商工省が定める発電価格の上限を超えてはならない。
このDPPA制度は、ベトナム国内での再生可能エネルギーの導入拡大と、電力供給の柔軟化、ベトナム企業のエネルギー選択の多様化を促進する施策であり、ベトナム政府の持続可能なエネルギー政策の一環として期待されている。
